矢筈山

晴れ朝4時半に起床。 今日は友達と、その息子と登山に行く。 偶然山の日だけど、別に狙ったわけではなく、野球が休みで日程が空いている日が、昨日か今日しかなかったのだ。 今日登る山は徳島県の「矢筈山」。 落合峠から片道2時間くらいで登れる、見晴らしのいい山。 今回登る山の条件が「初心者向け」「景色がいい」。 初心者向けの山だと、歩く時間が片道2時間程度じゃないといけないが、2時間で登れる山で見晴らしのいい場所がなかなか無い。 2時間で登れるということは、標高が高いところまで行けない山が多いので。 色々記憶をたどっていき、矢筈山を選んだのだ。
自分が登山やっている時は、矢筈山はそれほど登りに来たことがない。 今日選んだのと同じ条件で、2時間程度で登れてしまうから。 なので、コースはあんまり覚えていないが、初心者向けの山なのでどうにかなるだろう。

6時に友達の家に迎えに行き、国道193号線で脇町に出て、吉野川沿いの国道192号線を西に進み、三加茂のミニストップで昼ご飯を購入。 そこから先は山道で、まずは風呂塔キャンプ場方面を目指し、途中から深渊方面へ右折、深渊を超えてからは、落合峠へとグイグイ上っていく。
家を出てから3時間くらいかかって、ようやく落合峠の駐車場に到着。
落合峠

登山の準備をして、9時過ぎに出発。 今日はあまり本格的な登山ではないので、大雑把にしか時間は記録していないし、写真もほとんど撮っていない。
落合峠からの出だしは、笹原の中の急登。 笹は朝露で濡れていて、ズボンと靴が湿ってくる。 15分ほど歩き急登を終えて、軽いアップダウンを繰り返しながら笹原を歩く。 しばらく歩くと樹林帯に入り、軽いアップダウンを繰り返しながら歩いていく。 しばらく進むとロープの張ってある急な登り坂があり、そこを越えた所が、サガリハゲ山との分岐点だった。

分岐の先で20分くらい休憩。 お腹が空いていたので、ここでどらやき、おにぎり、チョコパイを食べる。 エネルギーを補給して出発。 ここから山頂までは700mほどの距離だが、登りが険しくなってきたので、50分くらいかかった。 ようやく山頂に到着。 山頂は日差しを遮る場所が無く、非常に暑かった。 7年ぶりくらいに登山に来た友人と、初登山の息子も無事山頂に立てて良かった。
矢筈山山頂 山頂からの景色

下山途中に、日陰の広い広場があったので、そこでお昼ご飯。 おにぎり2つ食べてエネルギーを補給。
後はひたすらと下るだけ。 ロープの張ってある箇所を下りた辺りで、友達が「膝が痛い」と言い出したので、持ってきていたストックを2本貸す。 それを使いながら、なんとか14時くらいに下山することができた。

帰りは脇町ではなく、美馬から満濃に国道438号線を抜けて帰ってきた。 友達の家に着いたのが17時10分くらい。 自分は17時30分くらいに帰宅した。

朝が早かったので、風呂に入って食事を食べて、22時半くらいには就寝。

久々の登山 三嶺 いやしの温泉郷ルート

晴れ朝4時58分に起床して、5時05分くらいに家を出発。 今日明日と野球が無く、三女は友達の家に泊まりに行くので、フリーな日が2日間もある。 野球に通いだしてから雨でない土日が丸々休みというのが非常に珍しくなってしまったので、今日は登山に行こうと2日前くらいから計画していた。
久々に登山に行くと、だいたい東赤石山に行ってしまうので、今日は三嶺に行くことにした。 東赤石山と並んで、自分の好きな四国の山のツートップ。

近所のコンビニで朝ご飯を購入して、財田に向けて走っていく。 財田から池田に抜ける部分は、以前は猪ノ鼻峠を超えるルートで、この山越えだけで40分くらい時間がかかっていたが、2年くらい前に新猪ノ鼻トンネルが開通し、たった5分くらいで通過できるようになった。 運転する楽しみはないけれど、かなり時間が短縮になって嬉しい。

国道32号線を走り、大歩危のローソンでお昼ご飯のおにぎりを3つ購入して、少し休憩。 運転していてかなり眠かった。
ここから奥祖谷に向けて運転していく。 昨年の海の日に祖谷のかずら橋までは来ているけれど、それより奥に行くのは数年ぶりだな。 県道32号線、国道439号線と、運転に気を使わないといけない道を走り、8時位にいやしの温泉郷に到着。 2001年4月くらいから、いやしの温泉郷も、併設されている観光モノレールも休業中になっていて、ここに来るのは登山者か住人以外いないだろう……

登山口前の駐車場は、大木に覆われていたはずだったが、大木は全て切り倒されて開けた場所に変わっていた。 付近の木々は全て切り倒されていて、以前の面影が全く無い。
駐車場

登山の準備をして久々の登山に出発。 今日の靴は登山靴ではなくトレイルランニング用のシューズ。 登山靴は長いこと履いてないので、もう履けなさそうな気がする。 長年履いてない登山靴はソールが加水分解して、歩行中にソールだけ剥がれることがよくある。 なので試すとしたら、今日みたいにガッツリした山じゃなくて、30分くらいで歩ける気軽な山で試してからじゃないとダメだろうな。

夏なので荷物は全然なくて、帽子、トイレットペーパー、レインコート、ストック、おにぎり3つ、お茶2L、ヘッドランプ、軍手くらいしか持ってきてない。
登山中に座布団、行動食を持ってくるのを忘れたことに気付いた。 座布団は無くてもいいが、行動食はないのは痛いかもしれない。

以前登山やっていた時には所持していなかったガーミンがあるので、今日はこれでログを取る。 最近はスマホアプリでも歩いたルートや高度などを記録できるものがあるようだけど、インストールしてないのでガーミンだけでいいや。

登山口付近の様相はガラリと変わっていたが、山の中に入ってしまったら、記憶にあるもの通りだった。 まずは旧造林小屋に向かって歩いていく。 以前はリアルタイムな高度がわからなかったけど、ガーミンがほぼ誤差の無い高度を示してくれるのが、便利なのか、それとも精神的にマイナスになるのかは、今はまだわからないけど、見えてしまったら「あと◯メートルだ」と、しきりに気にしてしまうかもしれないので、高度は見られないほうがいいのかもしれないと思った。

モノレールは運休中なので、メンテナンスもしてないようで、レールの上に倒木や枯れ枝などが覆いかぶさっていた…… もし再開する事があるとしても、復旧させるのはかなり大変そうだな……
モノレール

1時間10分ほど歩いて、旧造林小屋に到着した。 小屋は倒壊寸前で、立ち入らないようにロープが貼られていた。 以前よりは確実に倒壊の危機が迫っていると思う。
ここで休憩して、おにぎりを1つ食べる。
旧造林小屋

ここから先もだいたいは道筋を覚えている。 急な上りをひたすら歩き、正面に岩壁のようなものが出現したら、左から回り込んでミニ尾根みたいな所に出る。 この区間歩いている時に、上からトレイルランナーが走って降りてきた。 このルートで出会った人は、往復でこのランナー1名だけで、登山者はゼロだった。
その尾根に1升瓶が埋まっているのだが、その瓶は割れていた。 以前は割れていなかったと思う。

さらに歩き、開けた場所に出る。 ここから剣山方面の景色が見えるのだが、その景色が最高だった。
そこから数分で1791m地点。 目の前に三嶺が見える素晴らしい場所。 肉眼でも人がたくさん歩いているのが見える。 この場所で少し休憩、開けた場所に出ると風が強くて少々肌寒い。
剣山・次郎笈

ここから30mくらい下って、三嶺ヒュッテに向かって最後の上り。 途中に鹿避けネットがあるのだが、もうボロボロであまり役に立ってないようだった。
最後の上りを終えて、三嶺ヒュッテ前に到着。 ここは強風が吹き荒れていて帽子が飛ばされそうなので、帽子はポケットに入れる。

そこから数分で三嶺山頂。 山頂はさらに強風が吹き荒れていて一瞬で体が冷え、手が悴んでくる。 寒すぎるのでレインコートの上を羽織る。 山頂でお昼を食べようと思っていたが、この風じゃ無理だな……
お昼は1791m地点で食べることにして、長居せずに下山開始する。 下山はストックを活用する。
三嶺山頂 西熊山

1791m地点でおにぎりを2つ食べ、これで持ってきた食料は全て無くなってしまったが、お腹も空いてないので何かトラブルがなければ大丈夫だろう。
下りは退屈で、少し眠くなりながら歩いていく。 旧造林小屋で休憩して、1791m地点から1時間50分くらいで登山口に到着。
久々の登山は新鮮で、けっこう楽しかった!

帰りの祖谷付近は観光客の車で賑わっていた。 自分も観光客の部類だが……
通り道のすぐ近くに、満濃の三原記念球場があるから、何か野球の試合やってないかな?って覗いてみたが何の試合もやってなかった。

17時位に帰宅して、荷物片付けたあとはジョギングへ。 登山とジョギングで使う体力や筋肉はぜんぜん違うというのを知っているので、登山やったあとでも走れるだろう。
5.09, 5.09, 5.12, 5.23, 5.14, 5.39, 5.24, 5.26と、7.3kmを38分56秒で、キロ5分19秒ペースだった。

脚的には大丈夫だったけど、体的にスピードを出すことが出来なかった。 登山ってLSDみたいなものだから、それ終わったあとにスピード上げるのはきつそうだ。

24時くらいに就寝、明日はゴールデンウィーク最終日。

08:08 登山口
09:18~09:26 旧造林小屋
10:35~10:51 1791m地点
11:15~11:25 三嶺山頂
11:45~12:13 1791m地点
13:02 旧造林小屋
14:03 登山口

奈良マラソン2023

晴れ朝5時半に起床。 今日は奈良マラソン2023当日。 前日に準備はほぼ完了しているので、朝はエネルギー補給に専念し、42kmのレースに備える。
昨夜コンビニで買っておいた今日の朝ごはんは、ツナマヨおにぎり、カステラ、三色団子。 カステラは半分、三色団子は1本残してしまった。

今泊まっているJR奈良駅の横のホテルから、スタート会場の鴻ノ池運動公園までは2kmほどある。 歩けない距離ではないが、できることなら歩きたくない。
JR奈良駅からだと、西口に臨時の路線バスが出ているので、それで行くことができる。 料金は220円かかるけど、歩くよりはマシだろう。 路線バスは大量に待機していて、5分も待たずに乗ることができた。
7時20分くらいにJR奈良駅を出発。

鴻ノ池運動公園までは10分ほどで着くはずなのだが、渋滞していて15分ほどかかったと思う。 バスに乗っているとき、お腹が痛くなってきた。 会場には7時45分くらいに到着、着いてからすぐにトイレに並ぶ。
奈良マラソンは初出場なので、トイレの状況などわからないが、今並んでいる感じだと、大も小も結構待つので、もう一度は行けないかもしれないな。 だが、前回の福知山のように、今回もできるだけ朝の水分は摂らないようにしている。 本当はあまり良くないと思うのだが、マラソン中のトイレ問題にいつも悩まされているので……

手荷物預けは場所によっては8時半まで。 場所によってというのは、自分で棚に置くパターンと、係員に渡すパターンがあるようだ。 自分はBブロックなのだが、男子ABブロックと、10kmの部の男子LMブロックは自分で置くパターン。 それ以外は係員に渡すパターンのようだ。 なので、手荷物預けの時間は気にしないで良かった。 手荷物は武道館、入るのに靴を脱がないといけない。 1Fが手荷物預けと待機スペースだが、8時20分くらいに荷物預けに行ったら、1Fの棚はいっぱいで、2Fに案内された。 2Fの観客席に荷物を置く。 武道館に入る度に靴を脱ぐのが少々面倒だな。

手荷物を預け、スタートブロックへと向かう。 スタートブロックは8時45分締め切り。 もう一度トイレに行けるかな?と、トイレ行列を見たが、メチャメチャ並んでいて、これは無理だと諦める。
Bブロックに整列、自己ベストなど狙っているわけではないので、Bブロックの後ろの方でも問題はない。

スタート直前、横にいた人がサンダル履いていたので話しかけてみた。 サンダルには2種類あって、踵がフリーなやつと、踵がロックされてるタイプがあって、この人は踵がロックされてるタイプだから、フリーのより走りやすいらしい。 ジョギングシューズを履いてもタイム的にはあまり変わらないと言っていた。 疲労度はジョギングシューズの方が少ないと…… 練習でもサンダル履いてて、たまにジョギングシューズを履くんだって。 「裸足や革靴の人もいたから、サンダルはまだ楽な方ですよ」と言っていた、凄まじい世界だ……

スタートセレモニーがあり、号砲がなり、奈良マラソンが始まった。 奈良マラソンのコースは坂が多いのが有名で、自分の実力+10分くらいのゴールタイムになると言われている。 2週間半前の福知山で痛い目にあっているので、「今日は前半は絶対に飛ばさず、坂と後半に備えて脚を残す」、「目標タイムは3時間25分」というのを掲げている。 特に前半飛ばさないのは最重要。 気分が良くてもペースが良くても、絶対に飛ばさない。

そう思って走り出した。 そしてトイレ問題、やはりスタートする前からトイレに行きたくなってしまって、1km地点の手前にあるトイレへ。 何人か並んでいて、ここで1分半ほどロスした。 トイレからコースに戻ってきたら、すぐ後ろにサブ4のペースメーカー達が。 1kmの通過タイムが6.27。 いきなり大幅な出遅れ。 だけど、今日は自己ベストを狙っているわけではない、これくらいのタイムでも問題ない、と言い聞かせて、遅れを取り戻すような走りをしないよう気をつける。

奈良マラソンは参加者が14,000人もいるらしく、コースはかなり混雑している。 3km過ぎるくらいまでは、このペースでも思うように走れなかった。 そして今日は体が重く感じる。
平城宮跡前が折返しで、折り返した直後に5kmなのだが、折返しに向かって、コースマップには載ってないような微妙な上り坂となっていた。 コースマップでは明らかな上り坂はわかりやすいが、例えば1kmで10m上がるような僅かな坂は見えてこない。 折り返してしばらく走っていたら、前方に風船が見えたので、あれが3時間半のペースメーカーだということに気づいた。 目標タイムは3時間25分なので、まずはペースメーカーより前に出ないと。 だけどペースアップせずジワジワと距離を詰めて、8kmくらい、近鉄奈良駅付近かな? ペースメーカーの後方に着いた。 奈良はコース幅が狭く、ペースメーカーの後ろには大量の人がいるので、中々抜かせない。 この集団を抜かすときだけ、ちょっとだけ意識的にペースアップして抜かしていった。 前に出たら景色はスッキリ。 さて、ここから落ち着いて走っていこう。

県庁前の通りを奈良公園に向かって上り坂を走っていく。 途中で10kmの部のランナーも合流。 奈良公園を右折する付近の広場に鹿が歩いていて、珍しいなと思って見ていたのだけど、右折した先の左側の芝生広場には何十頭という鹿が群れでくつろいでいた。 普通にこんな所に鹿がいるんだな…… この付近で10km、アップダウンがあったが、これは終盤でも出現するアップダウンなので覚えておかなくてはならない。
その後、10kmの部は左折していった、フルマラソンの部は直進する。

スタート直後にトイレに行ったばかりなのに、また行きたくなってきた。 12km地点くらいのトイレへ。 ここで30秒ロス。 トイレから戻ってきたら、すぐ後ろに3時間半のペースメーカーが迫っていた。 抜かれたら、抜き返すのが大変なので、抜かれないようコースに復帰して走っていく。

15km地点、ここまでキロ4分50秒ペースくらいで走り続けているが、まだ体が重い、というか今日はあまり調子が良くなさそうな感じがする。 まだ15km、この先27kmもあるが、今からこの状態で耐えられるだろうか…… 少々不安になるが、もう前に向かって走るしかない。

15kmくらいから上り坂が始まった。 両脇が畑の一直線の道を東に向かって走っていく。 交差点を右折してからが本格的に上り坂。 だけど、上り始めてすぐ、奈良マラソンの応援で名物の忌野清志郎に扮した人が応援してくれているスポットがある。 そこでハイタッチをして元気をもらう。 上りは思っていたより大したことなかった。 上りきった辺りで、天理教の私有地へと入っていく。 ここにも軽いアップダウンがあった。
景色の良い橋の上を通過した辺りで先頭ランナーとすれ違う。 先頭ランナーは30km付近だろう。 橋を越えて下りに入る。 そして中間点。 中間点の通過が1時間44分23秒。 3時間半のペースで1時間45分ジャストなので、ギリギリ3時間半を切るくらいのタイム。 中間点でこのタイムで、この疲れ具合だと、今日は3時間半も無理かもしれないと、弱気になりかける。 弱気になっている時、左右にいきなり人が多くなってきた。 3時間半のペースメーカーに追いつかれたのだ。

ペースメーカーに追いつかれた場合、追い抜かされないように頑張るか、後ろにつくか、どちらかになる。 ここはまだ中間地点。 後ろについたら、残り21km絶対についていくことができない。 これはきついけど吸収されないように頑張るしかない…… そう思って追いつかれないくらいまでペースを上げる。

一連のアップダウンが終わって、コースは天理市へと入った。 天理市に足を踏み入れるのは初めて。 天理市は天理教というのは知っているが、初めて入った天理市は少々不気味だった。 どこを見ても宗教施設、中心部には巨大は煙突みたいなのが何本か見える。 沿道で応援している人は「天理教」と書いてあるジャケットを羽織っていたりする。 コース近辺しかわからないが、宗教の街なんだなと実感した。
この辺りで再びトイレに行きたくなってきたが、トイレに行くということは3時間半のペースメーカーに抜かされるということなので、トイレに行った時点で自分のレースは終わる。 だけどトイレに行きたい……

23km地点くらいだろうか、反対側にトイレがあるのが見えた。 反対側は26km地点くらい。 あそこのトイレに寄ろうか……と考えながら走る。
この区間は僅かにアップダウンがあって、天理教本部の前の直線道路は僅かに下り坂。 25kmで折り返し、数百メートル走ったら右折、天理教本部の敷地内へと入っていく。 天理教本部の真ん中辺りで善哉が振る舞われていた。 食べたかったが食べたらレースが終わる、それとけっこう体がきついので、固形物を食べたら、お腹をくだしそうな予感がしたので、善哉の誘惑には負けず素通り。
天理教本部を出て再び車道に戻ってきて26km地点。 先程のトイレがあったが、この近辺の折返しで、すぐ後ろ、わずか5秒差くらいの所に3時間半のペースメーカーがいるのがわかっていたので、トイレはパス…… さっきよりは行きたい欲がなくなっているので、このままゴールまで静まっていてほしい。

天理市を走り抜き、28kmから先程のアップダウンに再突入。 2kmくらいのアップダウンの道なので、なんとか乗り切らないといけない。 この手前で反対側には4時間のペースメーカーがいた。
この辺りで、背中に「MIT」と書かれているランニングウェアを来ている男性が目につくようになってきた。
「MIT」ってマサチューセッツ工科大学かなぁ、絶対違うようなと思いながら走っていて、「M」はマサチューセッツのM、「I」はIndustryかな? 「T」ってなんだろう、大学の「U」とかは入らないのかな?とか考えながら走っていた。 家に帰ってから調べてが「Massachusetts Institute of Technology」でMITらしい。

坂道を上り切って、天理教敷地内を通過して、あとは下り。 MITの人は上りはそんなに速くないけど、下りと平地は速くてどんどんと離される。 坂の最後の方で、忌野清志郎がいて、再び応援してもらう。

35km過ぎに短いけれど強烈な上り坂「デイリー坂」があって、再びMITの人の背中が近づいてきた。 上りきった辺りで、いろんなランナーにポジティブな声がけをして応援してくれてる人がいた。
自分は「いい前傾、その調子!」と応援してもらうことができた。

37kmくらいだろうか、右手にキリン堂がある辺りが一番きつかった。 ペースはギリギリでキロ5分を切れるくらいのタイムになってしまっている。 ペースは落とせない、だけど非常に苦しい。
キリン堂の200mくらい手前ではランナーが倒れていて、スタッフが無線でどこかに連絡していた。

その先の交差点の角にはボランティアの帽子をかぶった中学生がいた。 往路でも見たが、復路でもボランティアを頑張ってくれていた。
奈良公園付近のアップダウンを乗り切り、レースは終盤へ。

40km地点、このあたりは民家の立ち並ぶ路地を抜けていく。 微妙に下り坂なのが助かったが、最後競技場までは上り坂が待ち受けている。
競技場前の道路まで戻ってきて、あとは1.5kmくらい競技場めがけて走っていく。 41km地点を通過し、あとは上り坂を頑張るしかない。

まだ力は残っているので、あと1kmくらいなんとかなる。 上り坂でスパートしてグイグイと上っていく。 競技場直前のスターバックスのある辺りでMITの人に追いついた。 MITの人は「あぁ」と嘆きが漏れいたので「ファイト」と声をかけながら抜かしていく。 坂を上り切って競技場の敷地内へ。 第3コーナーから競技場の中に入り、ラスト200m。 ようやく競技場まで帰って来ることができた、ラスト200mを頑張って走りゴール。

タイムはネットで3時間27分14秒、グロスで3時間28分01秒だった。 中間点では3時間半切れないかも、と思っていたが、ゴールしてみたら意外に余裕があった。

目標タイムには及ばなかったが、走り終わってみて、最後までよくもったなと思った。 15km地点での調子、20kmで3時間半のペースメーカーに追いつかれる。 前半でトイレに行ったのもあるけど、タイム的にはネガティブスプリット。 5km毎のタイムを見てもかなり安定している。 こういう走りを他のレースでもしたかった。
タイムは最近のタイムと比較すると平凡だけど、やりきった感とタイムの満足度は非常に高い大会となった。

次のマラソンは、来年の福知山マラソンの予定。 いつもは3月くらいまで出続けるけど、今年は奈良がシーズンラストレース。

武道館に荷物を取りに行く。 普段なら暖かい格好に着替えるのだけど、今日は暑すぎるので半袖半ズボンでも余裕。 濡らしたタオルで汗を拭いて、別の半袖半ズボンに着替えだけした。
それからマッサージを受けて、JR奈良駅のバス乗り場に向かう。

JR奈良駅にバスが到着し、駅前のローソンでLチキと温かいお茶を購入。 会場では昨日と同じく出店があるが、早くホテルに戻りたいのと混んでいるので、食べる気にならなかった。
レースでかなり消耗しているので、Lチキで肉類と余分を補充したのだ。 温かいお茶は、ホテルの立体駐車場の管理人に差し入れしようかなと思っていたが、今日はいなかった。 昨日チェックイン前に、駐輪場がないホテルで、親切に立駐の前の空きスペースに止めさせてくれたので、そのお礼にと思って。 だが、あげられなかったので自分で飲んでしまおう。

ホテルに戻りシャワーを浴びる。 湯船にも浸かりたいが、この後行きたい所があって、時間があまりないので手短に。

シャワーを浴びて着替えてからは、すぐに出発。 JR奈良駅の東口にあるレンタルサイクル「駅リンくん」で電動アシスト自転車を借りる。 借りたのが14時50分くらいで、返却期限が18時。 電動アシスト自転車は4時間までなのだが、返却まで3時間しかないので時間的には問題ない。 係員は「1時間少ないのでもったいないよ」言ってくれたが、マラソン走り終わった後で、普通の自転車漕ぐのは無理だ。 しかも結構ハイペースでそこそこの距離移動しなくてはならないので。
レンタルサイクル

ポケットにナビをセットしたスマホを最大音量にした状態で入れて、ナビの指示通り自転車で目的地に向かう。
漕ぐこと50分、距離にして13km。

15時45分くらいに「法隆寺」に到着した。 冬季の法隆寺の参拝時間は16時半まで。 16時半に門が閉まるので、16時20分くらいには出なくてはならない。 時間との勝負だった。
明日は別の場所を観光したいので、法隆寺に来ることはできない。 どうしても今日来ておかなくてはならない場所だった。
奈良から電車でも来られなくはないのだが、法隆寺駅からお寺までが1km以上あり、電車のタイミングによってはかなり際どくなりそうなので、それだった時間の確度がより高い自転車の方がいいと思って、レンタルサイクルを選択したのだった。

参拝料は1,500円なのだが、閉まる直前なので1,200円で入らせてくれた。 HPなど見てもどこにもそんな記述なかったのだが、ラッキー。
建造の歴史やお寺の特色など、詳しいことはよくわからないが、名前くらいは誰でも知っているくらい有名なお寺。
日本最古の五重塔、日本最初の世界文化遺産、所蔵している大量の国宝・重要文化財など。
ものすごい歴史を感じながら、たった40分しか時間がなかったけど、見学することができて良かった。
法隆寺 五重塔 金堂

法隆寺観光が終わって、またJR奈良駅まで戻る。 レンタルサイクルが18時までなので、あと1時間半だが、帰りは急がないでも余裕だな。
行きとは違うルート、郡山駅の前を通るルートで帰ってきて、レンタルサイクルを返却。

その足で、夕飯を食べに行こうと思ってウロウロしていたのだが、結局JR奈良駅1Fにある魚民になってしまった。 この選択は失敗だった。 魚民に行くくらいなら、同じく駅前にある大阪王将に行ったほうが満足度が高かったかもしれない。 魚民で7,000円くらい使ってしまった…… 大阪王将なら同じくらい食べても、3,000円くらいで済んだだろう……

19時位にホテルに戻ってきて、フロントで荷物発送用のダンボールを購入。 部屋に戻って、明日使う小さなカバンとスマホバッテリー・ケーブル以外、全ての荷物とお土産をダンボールに詰め、ホテルのロビーから自宅に発送した。
大浴場で疲れを癒やし、部屋で追加のビールを飲んでいたが、眠くて全部飲みきれず、22時50分くらいに就寝。

第31回 福知山マラソン

晴れ朝5時半に起床。 福知山マラソン当日。 これからすぐに福知山まで移動する。 ここから30kmくらいの距離なのですぐに着くだろう。
早朝はフロントにスタッフがいないので「カギはフロントに置いておいてください、玄関のカギは開けておきます」と昨晩言われていた。 他にもマラソンの宿泊客がいるようで、早朝4時過ぎから隣の部屋の人がゴソゴソしていて、自分が出る頃には既にいなかった。

高速道路に乗る前のコンビニで朝ごはん。 おにぎり、メロンパン、シュガートーストみたいなもの、栗まんじゅう、温かいレモン飲料を購入。 朝ごはんを食べながら運転して、6時半くらいには福知山駅に到着。 車は毎年止めている、駅北口の西側にあるコインパーキングへ。 24時間700円。

マラソン会場行きのバスは7時からなので、30分くらい車内で時間を潰してからバス乗り場へ。 バスに乗って10分程で、福知山マラソン会場の三段池公園に到着。
昨年までは受付用の葉書を持って受付をし、ゼッケンや参加賞を引き換えていたような記憶があるが、今年からは受付はなくなって、ゼッケンとナンバーチップが郵送で届いている。 参加賞の引き換えだけ当日に行うのだが、16時くらいまで引き換えられるので、レース前でもレース後でも大丈夫なようだ。 今までの大会だと、事前に郵送していたものを廃止し、当日会場でゼッケンとナンバーチップを渡す大会が多くなってきているが、福知山は逆なんだな。
福知山マラソンスタート地点

男性更衣室となっている体育館が更衣室兼待機所になっているので、ここの端の方に場所を取る。 時刻はまだ7時半くらい、開会式が9時から、ランナー整列が9時45分から10時15分まで、スタートが10時半なので、かなり時間がある。 混まないうちにトイレに行ったり、物販コーナーに行ったりウロウロしていたが、やることが全然ない…… 香川県の参加者が9人いるので、ひたすらパンフレットの参加者名簿から香川県の人を探そうとしたが4人しか見つからなかったり……
それと、この体育館は「男性」の更衣室になっていて「女性立ち入り禁止」と書いてあるのに、家族連れや夫婦・カップルで入ってきて待機していたりする。 10分おきくらいに係員が巡回していて、拡声器で「ここは男性専用なので女性は退出して下さい」と、何度も何度も呼びかけていた。 これが逆だったら大問題になったり、下手したら警察沙汰になるのになぁ……

なんとか時間を潰して、トイレ巡回もして、10時10分くらいに整列しにいく。 今回の靴はハイパースピード3。 上は丸亀ハーフ2023のTシャツ、下はニューバランスの短パン、ナイキのキャップ、スポーツデポの5本指ソックス。 ダイソーのレインコートは着用せず、参加賞に入っている専用のナイロン袋を着用する。 福知山では雨が多いためか、毎回用意してくれている。 今日は思っていたより気温が高く、全然寒くないのでレインコートまではいらなかったので。 だけど両手には軍手、暑くなるのは間違いないので、これは途中で捨てる。

スタート前のセレモニーが行われて、いよいよスタートの時刻となった。
今日の目標は3時間18~23分くらいで走れればいいなと思っている。 前回の金沢マラソンから約1ヶ月、一応それなりにトレーニングをしてきたつもりだが、2週間後には奈良マラソンが控えているので、ここであまり無理をするわけにはいかない、40km走のようなトレーニングになればいいなと思っている。 しかし、この計画はスタートしてから僅か10分くらいで崩れた。

今回はBブロック。 先頭がAブロックなので、2番目のブロックだ。 整列は時間ギリギリに入ったので、Bブロックの後方。 今回はタイムを狙っているわけではないので特に問題はないと思ったのだが、Bブロックは申告タイムが3時間45分くらいまでの選手が入るのかな? スタートしてから、かなりゆっくりペースで並走している人などいて、少々邪魔だった。

福知山マラソンの、最初の1kmは下り坂。 1kmで40mくらい下るのでかなりスピードがあがるのだが、前述のような遅い人がいるのに、出だしの1kmが4.39だった。 これは速すぎるなぁと思いながら、次の1kmがなんと4.12。 明らかにオーバーペース、自分の閾値走とあまり変わらないようなペースだが、これでは絶対に42kmもたない。 まだ2kmなのに体がかなり暑かったのでビニール袋を脱ぎ、邪魔なので後ろの腰に入れる。
少々スピードを落としたが、3km目が4.15。 まだまだオーバーペース。 だけど、極端にキロ30秒くらいスピード下げても調子が狂いそうなので、もうこのまま行ってしまうことに。 とても最後まで行ける気はしないけれど、行けるところまでこのペースで押す、挑戦だ。

今回はレース中のトイレ問題をなんとかするために、スタート前はあまり水分を摂らないようにしていた。 その為か、まだ3kmなのに喉が乾いてきた。 最初の給水所は7km地点。 そこまで我慢しなくてはならない。
3~7kmまでは、4.19, 4.19, 4.19, 4.18と、依然ハイペースを保ったまま。 普段のマラソンでは、うっすらと汗をかくことはあっても、雫で滴り落ちることはない。 だが今日は、気温が高いのとハイペースで押しているためか、額から汗が流れてくる。
待ちに待った7km地点の給水、最初のテーブル2つがスポーツドリンク、続くテーブル2つが水。 全部で4台しかテーブルがなかった。 スポーツドリンクの2つ目のテーブルで取ろうとしたら、上手くつかめずコップを倒してしまい給水できず。 続く水のテーブルで最後のコップを取ったが、水が3分の1くらいしか入っておらず…… 満足に喉を潤すことが出来なかったが、気持ちを切り替えて、次の給水所まで我慢しよう。 最初の給水所までは距離があるけど、ここから次の給水所は、そう遠くないはず。

ペースは4.20くらいを保ったまま、かなりいい感じで走れている。 10km地点の給水所で、無事に満足行く量の水分を摂ることが出来て一安心。

17kmくらいまでは4.20を刻めていたのだけど、そこからは4.30を少し切るくらいまでタイムが落ちてきた。 だけど、それでも自己ベストの平均ラップの4.36よりはまだまだ速いペース。
中間点通過が、1時間32分54秒。 ハーフマラソン歴代2位のタイムだ……速すぎる。 絶対いけないけど、もしこのペースを維持できたとしたら、単純に倍になるので、3時間06分くらいでゴールできることになる。 それよりも8分遅くても自己ベスト更新になるので、もしかしたら今日、金沢に続いて自己ベスト更新できるかも?と思った。

だが、その考えは甘かった。 15kmで、ゼッケンナンバーが若い女性ランナーを抜かしたのだが、そのランナーを引き離せずに、すぐ後ろに引き連れてひたすらと走っていた。 ずっと息遣いは聞こえるけど、姿が見えない位置で走っている。 なので、抜かされるわけにもいかず、ひたすらこの見えないランナーに抜かされないように走っていた。 だけどだんだんと自分のペースが落ちてきた。 そのランナーもきついのかわからないけど、自分のことを抜かしていかない。 そのまま折り返し地点の25kmを迎える。 ここまではキロ4分30秒くらいのペースで走ってこれたが、折り返してから向かい風になりペースが落ち始めてきた。
26が4.38, 27が4.38, 28が4.43。 27km過ぎで、その見えない女性ランナーが視界に入り、つまり横に並ばれてそのまま抜かされた。 なんとかつこうと思ったがついていけず、だんだんと距離が離されていった。
それで気持ちが折れたかはわからないけど、28km目は4.43で粘れたけど、そこでレースが終わった。

一気にペースが落ち、29が5.01, 30が5.14。 これはもうダメだな、自己ベストは狙えないけど、目標としているタイムには行けそうだなと、走りを切り替えた。 普段は立ち寄らない私設エイドにも寄った。 30km過ぎにテントを張った私設エイドでホットコーヒーとミニドーナツをもらった。 このエイドで完全に立ち止まったので、31kmの区間は5.56と落ち込む。

そこから再び走り出して33kmまでの2kmは5.09で走れたが、もうかなりきつかった。
33~38kmまでが5.24, 5.26, 5.33, 5.32と、かろうじて5分半ペースだったが、お腹も痛くなってきたし、もうダメかもしれない。

レース終盤になると、ガーミン計測の距離は、公式の距離表示とは300mくらい乖離があるが、それでも公式に書いてある給水所と距離が合わないけど、、38~39km地点の間にある給水所で完全にストップしてしまった。
少々吐きそうだったのでトイレに入る。 トイレから出て、給水所のスポーツドリンクを完全に止まった状態で、スタッフの裏手の歩道で飲む。 そして水も2杯取って飲んだり、手を洗ったり。 完全にストップしたので前腿のストレッチでもしようとしたら、裏腿が攣りそうになったので即座にやめる。 他の箇所のストレッチをしたかったが、攣りそうで全くできなかった。

残りあとたった3kmくらいなんだけどなぁ…… 完全ストップしたのもあって、38-39kmが7.49と、久々に7分台を記録する。 昨年は一度も7分台は出してないはず。
ゴールを目指して、もう行くしか無いので、完走目標に切り替えて淡々と歩を進める。

40km通過が3時間13分35秒。 28kmくらいから撃沈してるけど、まだ3時間13分なんだなと思った。 あと2.2km。 キロ6分で行ったとしても13分半くらいなので、3時間半は余裕で切れるのかと思った。
すごいゆっくりとボロボロになって走っていて、前後のランナーの間隔も空いていて、回りのランナーもけっこう撃沈しているように見えるのだが、このタイムなんだな。
500m走って、15秒くらい歩いて、というのを繰り返してゴールを目指す。 ラスト1kmからは歩かずに行こう、と決めたので、ペースは遅いがとりあえず止まらずに走っていく。

最後の上り坂も、全くペースを上げることが出来ず、ゴールはまだか、と思いながら走っていく。 そして苦しみながらゴール。 久々にかなり辛い後半を味わった。

タイムはネットで3時間27分02秒、グロスで3時間27分27秒だった。 事前に立てた目標には届かなかった。

ゴール後にペットボトル飲料をもらい、芝生に座ったら立ち上がるのが非常に面倒になってしまった。 もらったペットボトルを飲み干すまで動けず…… 飲み干してからなんとか立ち上がり、完走Tシャツを貰い、計測チップを外してもらい、無料豚汁、無料ホットドリンクを飲んでから体育館で貴重品を受け取る。

汗拭きシートで体を拭き、着替えられる部分は着替えて、ケアブースでストレッチのマッサージを受ける。 下半身が少々回復したのでシャトルバスで福知山駅に戻る。

今回の福知山マラソン、非常にきついレースだった。 11月下旬なのに、気温が19度もある、復路が向かい風だったなどの気象条件はあるが、根本的な原因は前半飛ばしすぎたこと。 過去に何度も前半飛ばしすぎて脚が終わり、後半非常に苦しい中ゴールを目指す、というのを過去に何度も体験しているが、今回もやってしまった。 ただ、「今回も」というか、昨シーズンも「しまだ大井川」「高知龍馬」「とくしま」と、3度もやっているが…… それはわかり切っていることなのだが、なかなか前半スピードを抑えるのが難しい。 特に今回は出だしが下り坂なので…… だけど、ただの惨敗ではなく収穫もあった。 それは、キロ4分20秒が、それほど速いペースではないと分かったこと。 普段の練習で、なかなかこのペースで走ることはないので、あまり現実的なスピードではないが、特に心肺が苦しいわけではなく、このペースでハーフまでは余裕をもって走れている。 レース時のアドレナリン・モチベーション・給水・応援など、苦しくなくなる要因はいくつかあるが、このペースで練習で12kmくらい走れたら、もっと強くなれるんだろうな。
次は、2週間後の奈良マラソンなのだが、今シーズン最終戦だし、奈良マラソンの次は、来シーズンでもいつ走るか決まってない状態なので、奈良マラソンは失敗せずに、鋼の意思を持って、設定ペース通りに走りたいと思う。 設定ペースはこれから決めるが、コースに坂が多いことを考慮して3時間25分くらいになるんではないだろうか?

福知山駅前に戻ってきて、駅の目の前にある「ぐうりんだい」というお店でつけ麺を食べる。 夜飲みに行くが、夜までまだ時間があるのと、マラソン会場では体がきつすぎて食べることができなかった。
つけ麺

コインパーキングの車に戻ってからはホテルに移動。 今夜泊まるのは「福知山アークホテル」。 駅からすぐの場所にあるので、数分で到着。
昨日のホテルと1,000円しか値段が変わらないのだが、綺麗さが全然違かった。
ホテル ホテルの風呂

まずは浴槽にお湯を入れ、1時間位入浴して疲れを癒やす。 缶ビールも購入してあるので入りながら飲んでしまった。
18時位までホテルで休んでから、毎年行っている「地下酒場」という居酒屋へ。 今回、お土産用うどんを2箱買ってあるので、1箱はマスターにあげた。 いつも会うおじさんは、今はいなかったがマスターが電話してくれて、しばらくしたら来るとのことだった。
地下酒場

カウンターで飲んでいたのだが、すぐ横にマラソンシューズを履いた高齢の男性がいたので話しかけてみた。 そしたら、福知山マラソンに出場したランナーで、なんと68歳。 だが、4時間を切るタイムで走っている。 色々話を聞いたが、すごい人だった。 とくしまマラソンでは年代別で優勝したこともあるようだ。 再来年は70歳になるので、カテゴリが70~74歳になるので、優勝を狙っているとのことだった。
自己ベストは若い頃出した、2時間40分。 今日はダメだったが、今でも3時間20分~30分くらいで走れるとのことだった。 トレーニングは週4くらいでジョギング。 そのうち2日程度はトレイルランニングを1日中やっているらしい。 犬を飼っているので、トレーニングとは別に、毎日朝晩1時間程度散歩もしているとのことだった。
サブ3の秘訣を聞いたが、サブ3にはスピードはいらないらしい。 2時間40分を切るようなタイムを目指すならスピードトレーニングが必要だが、サブ3のキロ4分程度なら、普通のジョギングでも到達できる領域だと言っていた。 オススメのトレーニングは、1km程度ある緩やかで長い坂がいいらしい。 そこを上るトレーニングよりも、下るトレーニングをしたほうがいいと。 下り坂なので100%の力が120%くらいに増幅されると。 普段3分半でしか走れない人が3分切りが見えるようなタイムで走れると。 そういう、普段のジョギングでは出来ない体の動きを、下り坂を使って覚えさせるのがいいと。 あとはトレイルランニング。 上り下りがあるので自然と脚が鍛えられるのと、コンクリートじゃないので足に優しい。 その男性はトレランシューズは持っていなくて、引退したレース用シューズを使っているらしい。 地面が固くないのでクッション性などは必要ないから、ロードでは使わない靴を使う、しかもトレランは靴が汚れるので、きれいな靴を使うのはもったいないと言っていた。
色々なトレーニング方法がネットで出回っているが、こうやって実際にそのタイムで走れる、しかも年齢が自分より1.5倍も上の人が、自分と変わらないタイムで走っているので、このトレーニングは非常に効果的なんだろうな、と思った。 長い坂道を探したいな。

高齢ランナーが帰るタイミングで、いつものおじさんが来たので、2019年以来に再会した。 2020~2021はコロナで中止、2023年は店には行ったが、前日来ていたようでその日は来なかった。
お土産のうどんを渡して近況などを聞いた。 娘が結婚して妊娠していること、小学生からずっとソフトボールをやっていること、体調が思わしくないことなど…… だけど「お酒が飲めない」といいながらめっちゃ飲んでいたけれど。
お土産うどんのお礼に、明日はお昼ごはんをご馳走してくれるようだ。 22時位に店を出てホテルに戻る。
疲れ果てて22時半くらいに就寝。

金沢マラソン2023

晴れ朝5時起床。 今日は金沢マラソン2023の日。 初めての金沢マラソン、2023-2024シーズンの初戦、どうなるか全く分からなく、期待どころか不安の方が大きいマラソンがいよいよ始まる。 朝はシャワーを浴びて体を暖めて眠気を覚ます。
朝ごはんは昨夜コンビニで購入しておいた、紅鮭のおにぎり、バウムクーヘン、三色団子を2本食べる。 もう1本の団子と食べようと買っておいたメロンパンはお腹いっぱいで食べられなかった。 事前の補給が少ない感じがして、足りるかなぁ?と思ったが、これ以上食べられないので、どうしようもない。 inゼリーは1本あるので、スタート会場まで持っていき、レースを走る前に飲もう。

今回の服装は、丸亀ハーフ2023のオレンジのTシャツ、ニューバランスの短パン、スポーツデポの5本指ソックス、ハイパースピード3、ナイキのキャップ。 携行品は無し。 乳首と右足の小指には擦れ防止の絆創膏。
靴は1週間前まで悩みに悩んでいたけれど、最後の12km走でとても走りやすかったので、ハイパースピード3に決めた。

昨夜は強い雨が降っていたが、今の時点で雨は降っていない。 昨日の時点での天気予報では、「午前11時までは雨」となっていたが、晴れ男・晴れ女がいるのだろうか、雨の心配はなさそうでよかった。

金沢マラソンのスタート地点は金沢市役所前。 金沢21世紀美術館とか、石川県政記念しいのき迎賓館とかがある広場となる。 金沢駅からだと、歩いて25分くらい? 昨日の受付時に、100円でシャトルバスのチケットが販売されていたので6時半~7時出発の便のチケットを購入しておいた。 バスは6時~6時半、7時~7時半発もあった。 そもそも受付時点で全然予習をしていなくて、スタート地点がどこなのかすら把握していなかった。 近くにいたスタッフに聞いたら「歩きだと20分じゃ行けない」と言っていたので、100円だし買うことにした。 時間帯は販売スタッフに「一番売れてる時間帯はどれですか?」と聞いて、一番人気の時間帯を購入した。 結果的に買っておいて大正解だった。 スタート地点まではそこそこ距離があった。 今は雨は降っていないが、当初は雨の予報だったので、雨の中この距離歩くだけで、靴がビショビショになってしまっていただろう。

スタート会場には6時50分くらいに到着してしまった。 荷物預けが8時まで、スタート整列が8時20分までなので、かなり時間がある。 スタート会場は芝生広場で、先程まで降っていた雨の為、地面はビショビショ。 座る場所もないし、立ってウロウロするしかないな。 時間がかなりあるので、まだ全然トイレに行きたくないけれど、トイレの個室に行く。 誰も並んで居なかった。 10分ほどして出てくると、トイレは10人以上並んでいてビックリした。 ただ、このトイレ行列がちょっと不便で、個室が5個くらい並んでいて、それぞれの個室に1列で並ぶ方式になっている。 なので、自分の並んでいる列の人が早く出ればすぐに順番が回ってくるが、全然出てこない場合、5人しか並んでないのに30分くらい待ったりすることもあるだろう。 他のマラソン大会だと、1列に並ばせ、空いた個室から順に案内するようになっているので、列による運というのが無いのだが、そこは改善してほしい。 一方小便専用の方は、そのような方式だったのでスイスイと流れていた。
スタート会場

時間を潰している間にinゼリーを飲む。 そして、トイレ小に並ぶ。 ここから、トイレ小の周回が始まる。 いつもマラソン大会では走っている途中ならまだマシだが、スタート整列時にトイレに行きたくなったりする。 何度もトイレに行っているのに、なぜかトイレに行きたくなる。 一因としていつもコーヒー飲んでいるので、カフェインによる利尿作用があるかもしれないと思い、昨日の朝ごはんの喫茶店を最後に、カフェインは摂取していない。 それと時間の許す限り、何度でもトイレに行こうと思っている。

1回トイレに行って、7時50分くらいに荷物を預ける。 天気は大丈夫そうだけど、一応持ってきている45Lのビニール袋と、軍手を防寒として装着しておく。 それからもう一度トイレに行く。 つい5分前に行ったばかりなのに、不思議なことに出る。 トイレが終わってから、再び列の最後尾に並ぶ。 本当にトイレ周回をしている。 トイレとトイレの間隔が3~5分くらいなのだが、それでも毎回出る。 水分をそんなに摂っているわけでもないのに…… 緊張しているつもりはないが、緊張と冷えから来たりするのだろうか? そんなで、整列締切直前の8時15分くらいまでに、合計で6回くらいトイレに行ったと思う。
ここまで入念にトイレに行ったのに、レース中トイレに行きたくなったら仕方がない……

今回のスタートはDブロック。 ABCブロックがあるので、4番目のブロックだけど全然遅いほうじゃない。 申告タイムは、3時間14分59秒。 ABブロックは優勝争いするような選手たち、Cブロックは3時間切るような人たちだろう。 荷物預けも一番先頭の1号車だったので。
申告タイム自体は3時間15分を切るタイムで出しているが、目標は3時間半を切ること。 シーズン初戦なので、3時間40分切れればいいかなと思っていたが、この2週間の練習が非常に調子が良かったので、3時間半を目標とした。 なので、Dブロックでも前の方に行かず後ろの方、Eブロックとの境目辺りでも良いので、時間ギリギリまでトイレに行くことができた。 グロスタイムはロスするけれど、グロスの記録にはこだわってないので。

スタートセレモニーがあり、スタートの時間となる。 スタート前にゴミ回収のスタッフが来たので、着用していた防寒用のビニール袋は捨てた、軍手はしばらくしたら捨てよう。
スタートの号砲で列がゆっくりと動き出し、スタート地点を超えた所で時計を押した。 今シーズン初戦の金沢マラソンが始まった。

事前に詰め込んだコース情報では、出だしがいきなり下り、下りきってから9kmまでは軽いアップダウンがあり、9~11kmが上り。 11~25kmくらいまでが下り勾配。 そこからラストまでは平坦、というような感じだった。

最初の1kmが4.48。 サブ3.5を狙うならキロ5分ジャストでいいので、ちょうどいい感じのペースだな、しばらくこの流れに乗っていこうと考えて走っていた。
そしたら2kmに到達しない間に、後ろから3時間15分のペースランナーが追いついてきた。 このペースランナーはEブロックの先頭に陣取っていた。 3時間15分は自己ベストだし、無理だなぁと思ってそのまま抜かされていったのだが、思っていたよりペーサーが速くない。 これだったらついていけるんじゃないの?と思ってしまい、一番後ろのペーサーから5mくらいのところを走ってついていくことにした。

金沢駅前で折り返して3kmくらい。 ここまで4.33, 4.32と、想定よりキロ30秒速いペースで走ってしまっているが、このまま走っていこう。 ただ気をつけないといけないのは、まだ3kmということ。 始まったばかりなので疲れてないのは当然で、この無理が後半になって響いてくることは、3月のとくしまマラソンで味わっている。

繁華街の香林坊を過ぎて5km。 この辺りから、沿道に少年野球チームが目立つようになってきた。 今まで何とも思わなかったが、今は野球に関わっているので、少年野球チームの応援が嬉しいし、出来るだけハイタッチしてあげたくなる。 まだ序盤で余裕があるので、見つけたらハイタッチして元気をもらいながら走っていく。

そのままペーサーの背中を見ながらひたすらと走って9km地点を迎える。 ここから2kmくらい上り坂。 ペーサーが前後に別れてて、前に4人、後ろに1人。 前後の間隔は20mくらい。 自分は後ろのペーサーの少し後ろにいるので、後ろのペーサーより少し前に出るようにした。 頑張って上り坂を上って走っていく。 11kmで上りが終わり、ここからしばらく下り勾配となる。 ここからの14kmで60m下るので、1kmで4m程度しか下らないのだが。

普段ペーサーにつかないで走っているので、集団の中は意外に走りにくい。 特に給水。 給水で極端にスピード落ちる人もいるし、給水取っても左側からどかない人もいるし、手を上げながら右側から無理やり突っ込んでくる人もいるし。 一度右前の人が急に入ってきて、その人のかかとを踏んでしまった。 その場合、転倒する危険があるのは前の人だけど、もし転倒してしまったら後味が悪い。 給水は気をつけないといけないなぁ。

そのまま流れに乗って気持ちよく走っていく。 キロ4分30秒を切るくらいのペースで。 普段の練習だと、このペースは呼吸が少し苦しくなるのだが、今日はレース本番なのでアドレナリンの影響か、呼吸は全く苦しくない。

17kmくらいから狭い地区に入る。 ペーサーが「この先狭くなってます、気をつけてください」と大声で叫びながら走っていく。 路上のスタッフも「この先クランクあり」という看板を持って立っている。 
狭い地区を通過して、スタート直後に走った兼六園下に再び戻ってくる。 そこから橋を越え、金沢中心部から市街地へと向かって走っていく。

19.6kmに給水があったのだが、この給水ポイントの前で、3時間15分のペーサーを全員抜かして、ペーサーの前に出る。 やっぱり集団の中は給水が取りにくいので、給水は単独で行きたい。 テーブルの配置が、アクエリ、水、給食、お茶、水、というような感じなので、一番混雑する手前の部分でしかスポーツドリンクが取れない。 お茶はカフェインの関係で取りたくないので、水だけだと栄養素的にきついだろう。
なので、スポーツドリンクを確実に取るために、このような判断をした。 そして、ここまで走ってきて、少々お腹が空いてきた感じがした。 まだ給食は取っていないが、このポイントでほうじ茶饅頭を1つ取る。 これが思ったより大きくて、美味しかったのだが、あんこが口の中に残るので水で流し込んでしまった。

給水も無事に終えたし、また集団の中で走ろうかな?と思って後ろを振り返るが、ペーサーがなかなか迫ってこない。 そのうち追いつかれるだろうから、そうしたらまた集団の中で走ろうと思って、先を目指して走っていく。
中間地点の通過が1時間35分35秒。 想定はサブ3.5なので、かなり速い。 だけど、まだまだこのペースで走れそうなので、どこまで粘れるかが勝負だな。
いつペーサーに抜かされるのだろうかと思いながら走っているのだが、すぐ後ろにはいるのだが、なかなか吸収されない。 22kmのエイドで塩タブレットを3つ取り、1つ食べて2つはポケットに。 そのまま25km地点までやってきた。 19~25kmまではキロ4分33秒くらいで走ってこれた。
だが、ここから一気にきつくなった。 コースが、「金沢外環状道路」という綺麗な新しい道路になる。 いきなり体が動かなくなって、25~26kmが4.37、26~27kmが4.45と一気に10秒以上ペースが落ちる。
「もはやここまで」と正直思った。 まだ15kmも残っているが、どうやって走ろうか、ここからキロ5ペースなら走れそうだけど、一気にペース落として走ろうか、とも考えてしまった。
27~28kmも4.45かかり、28.3kmくらい、環状線での2回目の折返しを過ぎたあたりで、3時間15分の集団に吸収された。 自分の両脇からペーサーが前に出たので、必然とペーサーの真後ろに位置することになる。 このまま頑張ってペーサーについていったら、なんとかついていくことができた。 なるべく苦しむ時間を減らしたいので、粘れるだけペーサーの後ろで粘ろう。

そこからは思っていたよりも粘れて、32kmくらいまではペーサーの後ろで走ることができた。 だが、32kmくらいから再び苦しくなってきて、ペーサーについていけなくなる。 32.7kmのエイドでは金沢マラソン名物のゴーゴーカレーを配っているエイドがあったのだが、とてもカレーなど食べる気になれず、ドリンクだけしか取らなかった。

ここからが正念場だった。 もうペーサーに追いつけないのは今までも経験的にも現在の体的にもわかっていた。 まだ32km地点、ゴールまであと10kmもある。 とくしまマラソンでもこのあたりで苦しくなってペースが落ち、36kmで力尽きた。 また同じようになるのだろうか……

34kmくらいから「けん玉ランナーだ!」という声が聞こえるようになってきた。 自分がお気に入り登録している数少ないYoutubeチャンネルで「けん玉ランナー」という人がいる。 この人は、金沢マラソンには出ないと言っていたので、別人だということはわかるのだが、後ろを振り返るわけにもいかない。

再び金沢駅前、今度は反対側にやってきた。 ここでけん玉ランナーに抜かされた。 けん玉ランナーとは、中国のような帽子をかぶって、けん玉で「もしかめ」をやりながら走っているランナーだった。 普通にやりながら、キロ4分30秒くらいのペースで走っている、すごすぎ。 ペーサーにも、けん玉ランナーにもついていけず、金沢駅前を右折して35km地点。 あと7kmだ…… この時点で時計を見たら、2時間40分30秒くらいだったと思う。 3時間15分切るには、残り7.195kmで、35分も無い。 キロ5で7km走ったら、それだけで35分超えるので、10秒短縮してキロ4分50秒、それで70秒稼げるが、195mの含んでないので、195mで2分弱かかるので、もう5秒くらい上げなくてはならない、なのでキロ4分45秒は死守しなくてはいけない、とかろうじて計算することができた。

ペーサーにはおいていかれたけれど、32~35kmまでは、4.35, 4.43, 4.37, 4.31と、極端に落ちているわけではない。 このままのペースが維持できれば、まだ望みはある。 あと7km、あとたった7km。 普段練習で使っているコースが7.3kmなので、それを1回走るだけじゃないか。 ペーサーは、まだ50mくらいしか離れていない。 まだ見える距離にいる、必死に食らいついていこうと、気合を入れ直した。

金沢駅前の大通りは向かい風を感じた。 なるべく風を避けて走りたいが、風よけを作って走れるほどの余裕が残っていない。 少しでも前を目指すよう、もがきながら走り続けた。 この直線が非常に長く、石川県庁を越えるまで、3kmほど続く。 石川県庁を越えて左折した所で38km。 タイムはっきり覚えてないが、残り4kmをキロ4分50秒でいいくらいまで余裕がでてきた。 あと4kmくらい行けるはず、前回ダメだった36kmも越えた。 36~38kmは、4.38, 4.41, 4.44と、徐々にではあるがペースが落ちてきてしまっている。

もうキツすぎて、このあたりのコースはよく覚えていない。 ガーミンもコース上の1kmとは400mくらいズレていて、コース的には38.6kmくらいなのに、39kmのアラートが鳴る。 だけど、1km毎のペースの目安になること自体は変わらない。 40kmで右カーブになるのだが、このカーブで応援してくれる人がいたので、その人と右手でハイタッチした。 それがラストのハイタッチで、40km地点ということもあり、気合を入れ直した。
時間は3時間4分10秒くらい、残り10分50秒で2.2km。 キロ5だとダメだけど、もう3時間15分を切れるのが見えてきた。 あと2kmくらいなんとかなる。

少し走ると川を渡る橋がある。 ここから、残り1kmという情報を事前に得ていたので、橋を超えてから頑張る。 頑張って腕を振って前方を見て走る。
競技場敷地内に入って「残り500m」の看板が見える。 少し走って左折したら「残り300m」の看板。 もうちょっとでゴールだ。 最後、競技場に入って直線を100mほど走ってゴール。 最後の直線は力を振り絞ってダッシュで走った。 ゴール。

時計を止めるのが数秒遅れたが、記録はネットタイムで3時間14分20秒だった。 ついに3時間15分の壁を突破できた。
2019年3月のとくしまマラソンで、3時間15分14秒という、今までの自己ベストを14分16秒も更新する記録が出てから4年半。

この4年半はとても大変だった。
2018-2019年シーズンでは、3時間57分53秒だった自己ベストを3時間15分14秒まで伸ばした。
その自信もあり臨んだ2019-2020シーズン。
初戦の岡山マラソンは4時間23分58秒、続く福知山マラソンは4時間06分57秒。 自己ベスト更新どころか、4時間すら切ることができない。 12月には防府読売マラソンに参加したが、制限時間が4時間の大会なので背水の陣で臨んで3時間48分42秒。
絶不調は続き1月には美馬クロスカントリー10kmで、47分45秒という、練習で10km走るより遥かに遅いタイムを叩き出す。
苦しみながら試行錯誤して臨んだ2月の丸亀ハーフでは、自己ベストより5分も遅い1時間39分22秒。 何がダメなのか全くわからないまま絶不調から抜け出せる気配はない。
その丸亀ハーフが開催されたのが2020年2月2日。
世間ではコロナウィルスという未知のウィルスが猛威を奮い始めようとしていた。 翌日の2月3日にダイヤモンドプリンセス号で集団コロナ感染が発覚。
翌月3月29日に志村けんがコロナのため死去。
そこから世間の流れが一気に変わって、マラソンに限らず、野球やサッカーといった全ての興行イベントが中止、緊急事態宣言という、今までの人生で体験したことがない非常自体に陥った。

そのままマラソン大会が開催されずに2年半経って、昨年秋からようやく正常化した。 コロナ禍の2年半は、強制的にマラソン大会がなくなって自分にとってよかったのかもしれない。 3月の丹波篠山、とくしまマラソン、5月のオリーブマラソンにもエントリーしていたが、全て中止となった。 もしそのまま出場していても絶不調のままなので、結果が出ずに走るのがイヤになっていたかもしれない。
時は2020年8月13日、たまたま行った献血で、絶不調の原因が貧血だということが判明するきっかけになって、それから改善することができた。

そんな苦しい4年半を乗り越えて、今日ようやく自己ベスト。 更新できたのはたった56秒だったけれど、この56秒はものすごい価値のある56秒である。 前シーズンのとくしまマラソンで、体は完璧に仕上がっていて練習もバッチリこなせているのに、自己ベストに挑戦してダメだったのがあるので、もうマラソンで自己ベストは更新できないのかもな、とずっと思っていた。

レース中のトイレ問題は、今回は一度もトイレに寄らなかった、というか寄れなかった。
走り始めて5kmくらいで、トイレに行ってもいいかな?と思い始めたが、3時間15分のペーサーについていることもあり、トイレに行ったらもうそれは無理になる。
トイレに行きたい欲求は25kmくらいまで続いていたが、そこからは「トイレに行ったら走り出せなくなる」という気持ちのほうが強くて、最後の方はきつすぎてトイレに行きたい気持ちすらなくなっていた。

ゴールをしてから、盛大な祝福を受けた。
最初のテントで完走メダルをもらい、次のテントで完走タオルをもらい、計測チップを返却する。
競技場の外に出てからは、最初のテントでアクエリアスを、次のテントでとり野菜味噌、次のテントでゴーゴーカレー、次のテントでバナナ、次のテントでポテトチップス、最後のテントでおにぎりをもらう。
とり野菜味噌をもらうところで、ビニール袋を渡してくれるので、その後もらうものは、全部ビニール袋に入れていく。 大体のマラソン大会では、ビニール袋に、それらの商品を全部入れた状態で、ビニール袋ごと渡してくれる。 なので、「おつかれさま、おめでとう」といった祝福の言葉は一度しかもらうことができない。 だが、金沢マラソンでは上記の通り、全てテントが分かれていて、商品をもらう度に祝福の言葉を受けることができる。 花道を作ってもらっているような感じで、非常に嬉しかった。 テントの数が5倍なので、単純に人員も5倍必要になるのだが、人員を割いてでもやってくれるのがありがたい。

商品を全て受け取ってから、荷物受け取りへ。 荷物を受け取る展示ホールみたいなところで、3時間15分のペーサーの方々が居たので「ペースメイクありがとうございます、ネットで3時間15分切れました」と感謝を伝えた。 自分がグロスでは切れなかったのを、ペーサーの方は残念がっていたけど「ネット記録で大満足です」と、本当の気持ちを伝えた。

荷物を受け取って、記念なので陸連登録している人しか発行できない、公認記録証を500円で発行。
展示ホールの外に出て、近くで休んでいた人に写真お願いしたら、「足が痛すぎて立てない」と言っていた。 「座ったままでいいので」とお願いして写真を撮ってもらい、男性更衣室になっている別の展示ホールへ。
ここでタオルを濡らして汗を拭いて、Tシャツとズボンを着替える。 替えのパンツも持ってくればよかった。

今日は一人で来ていて、待つ人もいないので、着替えたらシャトルバス乗り場に向かう。 普段だと、仲間を待っている間に出店などのイベント広場を楽しむのだが。 バスに乗って金沢駅まで15分くらい。 多分ランナーだと思うけど、運転手に「吐きそうだけど、あと何分くらいで着きますか?」と言っている男性がいた。 男性は吐かずになんとか持ちこたえてくれたので良かった……

一旦ホテルに戻ってシャワーを浴びようと思ったのだが、到着したのが12時45分くらいだったので、まだベッドメイキングが出来ていなく、自分のフロアをやっている最中だった。 「優先してやるので終わったらフロントに連絡するので、ロビーで待っていてもらえますか」と言われ、ロビーにあるコーヒーを購入して10分ほど待っていたら連絡が来た。
部屋に戻ってお湯をはって、シャワーを浴びて1時間ほど小休止。

汗も流せて体力も回復したので、お昼ごはんを食べに行くことにした。 マラソン中は、結局ほうじ茶饅頭1つと、塩タブレット1つしか食べてないや。
今日までに使った服や、金沢マラソンの商品やパンフレットなどは、明日ホテルをチェックアウトしてから持ち歩くのが重くて邪魔なので、自宅に宅配便で送ることにした。 フロントで箱を購入し、そのままフロントから発送出来た。 発送料金は1,530円、箱が220円。

身軽になって、さてお昼でも食べに行こうかと外に出たら、突然土砂降りが降ってきた。 今まで晴れていたのに…… 急いで近くの商業ビルに避難して、信号のタイミングを見て外に出て金沢駅までやってきた。 今走ったばかりでもう走れないと思ったけど、信号渡って屋根の下に入るまでは小走りできた。

予定では、レンタルサイクル「まちのり」で石川県庁を見に行こうかなと思っていたが、雨なのでどうするかな。 雨雲レーダーでチェックしたら1時間程度で止むのだが、まだ30分くらいは強い雨が降る感じ。
もし空いてれば、昨日覗いた「もりもり寿司」でお昼ごはんを食べられればなぁと思い、店舗まで行ってみるが、56組待ちだった。 今は15時過ぎなのだが、待ち行列の1番先頭の人の受付時刻が13時01分と表示されていた。 なので、2時間以上は待つのだろう…… これはダメだな。

近辺をウロウロして時間を潰して、雨が上がったタイミングで「まちのり」を借りて石川県庁に向かって出発。 先程のレースで苦しんだ、35~38km地点を自転車で走っていく。 既に交通規制は解除されていて、ゴミ収集車が給水所のゴミを回収にまわっていた。
石川県庁まで到着し、県庁の写真を撮る。 原付で日本一周している時も、この壮大な石川県庁の写真を撮ったのを思い出した。
石川県庁 石川県庁 石川県庁

それから県庁の目の前にある「すし食いねぇ!」という回転寿司屋で食事を食べる。 有名ではない回転寿司だけど、石川県だし、どんな店入っても美味しいだろう。 寿司、天ぷら、味噌汁、アイスクリームなど、色々と満喫したが、お腹がいっぱい過ぎてやばい。 知らない寿司ネタなどたくさんあったのでもっと食べたかったのだが、もう無理だ…… そもそも寿司の値段が高いので、居酒屋行くより高くて、7,140円もした。
寿司 寿司 アイス

金沢駅まで帰ってくる途中で、また雨に降られて、今度はびしょ濡れになってしまった……
金沢駅2Fの食料品スーパーで日本酒詰め合わせみたいなのを購入して会社へお土産として送る。 去年は神戸マラソンの時に、神戸からお菓子などを送ったな。 それとは別にホテルで飲む用のお酒や、サラダなどを購入。
日本酒

まだ17時半だけどホテルに戻ってきて、再度風呂に入ってくつろいで、日本シリーズを見ながら先程購入したものを食べてのんびりとする。

今日のマラソン、走っている最中はものすごいキツかったが、レース後にこうやってウロウロしていることを考えると、ダメージは一時的なもので、総合的な疲労度はそれほど高くなかったのかな?とも思う。
夜は22時10分くらいに就寝(ガーミンによる)

高知龍馬マラソン2023

曇り高知龍馬マラソン2023当日。 朝5時半に起床。 目を覚ますのと体を温めるため、部屋の風呂にお湯を張る。 その間に朝ごはんを食べる。 昨日購入しておいたおにぎりとバナナ、高松から持ってきた蒸しパン。 inゼリーはレース前に飲む。 風呂に入って、ゆっくりと体を温める。

今日のレース前のスケジュールはいつもより余裕がある。 それはホテルから会場までが徒歩10分くらいで行けるから。 荷物預けが8時15分まで、ランナー整列が8時半まで。 なので、7時50分くらいにホテルを出れば余裕で間に合う。 ウェアに着替え、上はダウンジャケットを羽織り、下は重ね履きのズボンを履く。 右足小指には剥がれにくい絆創膏、両乳首には普通の絆創膏を貼る。 今まで気にならなかったが、最近乳首には絆創膏を貼る。 昨年の福知山マラソンで、雨で濡れたウェアが皮膚に密着し、ちょうどゼッケンの安全ピンの場所が乳首に当たる場所で最終的には血が出てきたので。 途中で捨てられるように軍手、手袋だともったいなくて捨てられない…… 今日は寒くなさそうなのと、10kmやハーフに比べたらペースが遅いので耳の中も痛くならないだろうと思ってニット帽でなくキャップ。 タイツはなし、アームカバーもなし。
帰りに風呂に入るかもしれないので着替え一式と、雨のレースになるかもしれないのでゴール後に履く靴。 荷物はこれくらいで準備OKと思って7時48分くらいにホテルを出発。

朝の繁華街の通りは日曜市というのをやっていて、屋台の列が数百メートル続いていた。 いちおう屋台の中を歩いて店を見ながら行ったが、レース前だし買うものはない。
日曜朝市

今回自分はBブロック。 S~Cブロックの手荷物預けは高知県庁。 Dブロック以降は城西公園となっている。 高知県庁に行く前、高知城のお堀の東側に公衆トイレがあったので、そこに寄っていく。 全然人がいなくて良かったが、今回時間がたっぷりあったから、ホテルでトイレに何度も行っているので大丈夫だとは思う。

高知県庁に到着し、荷物預ける前にもう一度トイレへ。 上着を脱いで、ダイソーのレインコートを羽織って荷物を預け準備万端。 Bブロックの整列の場所まで歩いていく途中に、トイレがあったのでまた寄っていく。 時間に間に合えば何度トイレに行ってもいいような感じがする……

Bブロックの列に並んでしばらくして列が動き出した。 30分までに並ばないといけないとアナウンスされていたが、ブロックが閉鎖されてる様子はなかったように感じた。 先頭がSブロック、次がA、自分たちはその次のブロックだ。 Sブロックがスタート地点に着く前に、ファンランというのが開催されるらしく、それがスタートしたあとに、Sブロックがスタート地点についたようだ。
そしてオープニングセレモニーが始まった。 普通ゲストたちはスタートゲート付近、先頭付近にいるはずなのだが、今回のマラソンではゲストたちの台はBブロックにあって、自分のすぐ真横、3mくらい先にゲストがいる。 なのでゲスト紹介やトークも非常に楽しむことができてよかった。 普段だと姿が見えず声だけしか聞こえてこないので、あまり面白くないが、近くにいるとこんなに面白いとは。
間寛平や稲村亜美がゲストでいたが、自分的には瀬古利彦さんをすぐ目の前で見ることができたのがよかった。

そして、このオープニングセレモニーを楽しんでいる間に、重要なことを思い出した。 inゼリーを飲んでいない。 手荷物から取り出すのを忘れたわけではなく、ホテルの冷蔵庫に入れっぱなしだった。 今の今まで気付かなかったので、まぁいいか。 手荷物から出し忘れなら悔やむけど、そもそもホテルに忘れたのなら悔みようがない。

最近のフルマラソンだといつもそうなのだが、整列前に何度もトイレに行ったのに、スタート直前の今になって、またトイレに行ってもいいかなと思うくらいには尿意を感じている…… だけど、もう行く場所がないので走り出してから行くしかない…… スタート直前になって、ゴミ回収の人が横を歩いていたので着ていたレインコートを捨てる。
そしていよいよスタートとなった。 自分の今回の目標は3時間19分59秒を切ること。 自己ベストはとくしまマラソン2019の3時間15分14秒だが、それは多分無理、シーズンベストは福知山マラソンの3時間26分20秒だが、3時間20分切りは、自己ベストの1回しかやれてないので、今回は3時間20分を切りたいという強い思いがある。 1月の10km、2月のハーフマラソンと、自己ベストを大幅に更新していて、今回目標のタイムを出すにはキロ4分40秒でいいので、そのペースは別に速いペースじゃないので、行けるだろうと思っている。

スタートの号砲がなって、皆走り出す。 ついに高知龍馬マラソン2023が始まった。
セレモニーの時からポツポツと雨が降り出していて、今は非常に弱い小雨のような感じ。 そんな天気だが、気温は全然低くなくて全く寒くないのが助かる。

出だしは混雑しているので、無理に抜かしたりせず周りのペースに合わせて走っていく。 出だしは普段「これは遅い」と思っていても、自分が思っているペースより速いことが多い。 すごい楽だなぁと思いながら走って1kmを迎える。 遅いとは思っていたが、体感とのズレがあるから、4.50くらいかなと思っていたが、なんと5.03もかかっていた。 これは楽なわけだな…… いくらなんでも目標があるのでキロ5分じゃまずいと思って、そこからはもうちょっとペースを上げて走っていく。 次の1kmは一気に上がって4.35。 そのままペースを維持して3kmが4.34。 この付近で前に大集団があって、大集団の先頭は「3時間30分」のペースメーカーがいた。 サブ3.5の集団はキロ5を少し切るくらいのペースでいくだろうから、自分の考えているペースよりは遅いし、大集団なので給水も危険で難しい。 この大集団はさっさと交わして前に行く。

ちょっとペース速すぎるかなぁと思いながら走っていくが、別に呼吸が苦しいわけではないので、そのままでいいかと思って走っていく。
走っていくが、スタート前に気になった尿意がやっぱり気になるので、トイレに寄ることに。 7.2kmのエイドの最初のテーブルの直前にトイレがあったので、そこに寄る。 トイレは空いていて待ち時間ゼロ。 時間測ってないけれど、30秒くらいのロスだろうか?
ロスした分を取り戻さないといけないなぁと思ってスピードを上げて走る。 トイレに行ったけれど、この区間が4.54だったので、実質4.25くらいか? 結構ペースが上がってしまった。

8.5kmくらいで、カーブの関係で右側を走っていたら「○○さん?」と自分の名前を呼ばれた。 横を見ると男性ランナーだったが、誰だか分からなかった。 「ブログ見てます、調子良さそうですね」と言われたけど、頭の中は???ばかりで、空返事になってしまった。 知り合いランナーでこのブログ知ってる人あまりいないような感じがするけど、もし知り合いだったらごめんなさい。 知り合いじゃなくてもそっけない返事でごめんなさい。

8.8kmくらいで国道32号線を右折していく。 10kmのトンネル手前には給食のあるエイドが出現。 予めコースマップでチェックしていて、ここには「梅干し」があると書かれていたので取る。 が、和紙みたいな紙に包まれていて何だか様子が違う。 すぐ先のテーブルにはミニトマトがあったが、今取った梅干しが食べたいのでトマトは取らず。 そして「梅干し」を食べようと包を開いたら、餅みたいな和菓子だった…… これは「梅干し」ではなく「梅不し」という全く別物だった。 ちゃんと細い字まで見なかった自分が悪く、提供してくれたメーカーは悪くないのだが、かなりショックを受けながら梅不しを食べて走っていく。

10km地点はトンネルの中。 トンネルを抜けて畑の地帯を走っていく。 昨日下見しているので、この道は右にカーブしていき、さらに左にカーブしていくときに上り坂になってトンネルに入ることを知っている。
右に曲がるカーブの付近を走っていたら、前方を走っていた2人が突然話し出して「この前もマラソン大会で会いましたよね、今日はどれくらいのタイム目指しているんですか?」「3時間20分切れたらいいな」「私は3年前の高知で3時間09分だったけど、それから調子悪くて今日は3時間半です」「このペースで今ここだったら余裕じゃないですか」というような話を聞きながら走っていく。 1人は3時間20分なので自分が目指しているタイムと同じだ、この人を目標の1つとして走っていこう。 と思いながら走っていたが、その人は思っていたより速くて、後ろについて走ることはできなかった。 が、それほど速すぎるわけではないので20mくらい前方を走っているような感じで、一応視界には入っている。
この辺りで雨は気にならなくなってきた、つまり止んだのだと思う。

13kmくらいで道路を右折し、浦戸大橋に向かって走っていく。 途中にある高知新港という場所には巨大な5連クレーンみたいなのがあって、こんな重機保有するのにどれくらいお金かかるのだろう、使う頻度は低そうだけど日本に数台しかないのかな、とか思いながら走っていく、昨日運転している時にも同じようなことを思っていたのだが。

15.1kmのエイドではチョコレートが出現。 食べたいので鷲掴みにして取ったら、数個でいいはずが10個くらい取ってしまった。 周りの人に配るわけにも、捨てるわけにもいかず、その先にあった、水の給水テーブルに置いていく。 給水係の人も、こんなところにチョコレート置かれても困るだろうけれど…… 元の箱に戻すわけにもいかず、食べるわけにもいかず、おそらくゴミ箱に捨てられたと思うが。 このチョコレート取りすぎ事件が35kmのエイドで仇となる。

7.2kmでトイレに行ったのに、またトイレに行きたくなってきた。 なんかフルマラソンではトイレに2回行くのが当たり前になってきてしまっている…… 浦戸大橋の前にトイレに寄ろうかどうしようか迷いながら走っていく。 18.9km地点のトイレの看板に「次のトイレ3.3km」と書かれているのを見て、トイレ行くとしても浦戸大橋が終わってからだ、と思った。

そして浦戸大橋に突入してく。 4年前の日記にも同じことが書いてあったけれど、昨日車で走った時にはかなりの傾斜に感じた。 だが、自分の足で走ってみると、車で感じたほどの傾斜ではない。 自分は体重が軽いからか、結構軽快に走って行けて、ランナーもどんどんと抜かせる。 先程マークした3時間20分を目指している人にも追いつき、さらに追い抜いた。
19~20kmは思っていたよりタイムが落ちず4.42、次の1kmはちょっと上りが含まれているがほぼ下りなのでもっとタイムが伸びると思ったが4.36だった。

浦戸大橋を下りきってから中間点を迎える。 結構ハイペースで走ってきているので、「タイムも期待」と思ったが、1.37.12だった。 もう少し速いと思っていた。 パッと数字を2倍にすると、3時間14分と結果が出てきた。 後半全く同じペースで行けたら、3時間15分をギリギリ切ることができる。 ただ、後半同じペースで行けるかな……

自己ベスト出した時のハーフ通過が、1時間38分48秒。 それとそんなに変わらないではないか。 その時は後半かなり上げて自己ベストが出せたのだけど、今ハーフを通過した時点で、後半これより上げるのが想像できなかった。 今でも結構ハイペースで走ってきているが、当時はそれに匹敵するペース、後半は今走った前半よりさらにペースを上げてたんだなと思って愕然とした。
ただ、目指しているのは自己ベストではなく、3時間20分切りというのを忘れないようにしなくてはならない。 前半キロ4分30秒台前半で来ていると思うので、後半はキロ4分50秒くらいまで落ちても大丈夫なはず。

そう思いながら走っていたが、22~23kmが4.41と、がくっと10秒くらいペースが落ちる。 呼吸は苦しくない、坂でもない、ただ前に人が少なくなってきているくらいなのだが。 両方のお尻が疲れてきているのは少々感じているので、叩きながら走ってはいるが、まだペースが落ちるほどは疲労していないと思う。
が、23~25kmまでの2kmが、4.38, 4.39となかなかペースが上がらない。 そんなで、25~26kmで4.44とまた一段落ちた。 今回は明らかに足が動かなくなっているのを感じて、これはこのまま一気にペースが落ちていって、苦しい走りになるのか?と不安がよぎる。

だが、なんとか粘って26~29までを4.45, 4.47, 4.54と、なんとかキロ5は死守する。 が、29.4km地点のトイレで気持ちが少し折れてしまった。 ずっとトイレ行くか迷った挙げ句ここまで引っ張ったけど、このトイレに寄って完全に立ち止まってしまった。 ここで40秒ほどロス。 29~30kmは5.31と大幅に落ち込む。

ここからが正念場だった。 トイレに立ち止まったが足は回復するわけでもなく、まだ12kmも残っている。 意図的に通算タイムは見ないようにしていたが、心の中では「まだ3時間20分切れるんじゃないか」と思っていた。 なんとか先程までのペースに上げようと努力するが、ペースはあまり上がらず。 苦しい走りのなか、30~35kmまでを、5.01, 4.59, 5.04, 4.58, 5.04と、5分前後で耐える。 しかし、疲労は徐々に溜まっていき、このペース維持するのでさえかなりしんどい。

ここまでのエイドは全て水分を取っており、20km越えてからはスポーツドリンク×2、水×1、かスポーツドリンク×1、水×2と、紙コップを3つ取っている。 それくらい体が乾く。
35.1kmのエイドではみかんを取った。 その前のチョコを取ろうと思ったが、取るのに失敗してしまったので…… 前半のエイドでチョコを取りすぎたので、今回は取りすぎないようにと指でつまもうとしたが掴めず……
みかんは丸ごと1つで、皮をむきながら食べて走る。 トンネル抜けてちょっと行くくらいまでみかんの美味しさを味わいながら食べる。 もうゴミ箱がないので、皮をその辺りに捨てるわけにもいかず、ポケットに押し込む。 ズボンは洗濯すればすむし。

36kmくらいになって、後ろからすごい足音の人が迫ってきた。 ちらっと見るとピンクのシャツに神戸の黄色い手袋をつけた50中盤くらいの男性だった。 どのくらいの位置だったかよく覚えてないけれど、序盤か中盤にもこの人と一緒のペースを刻んでいった記憶がある。 その人は自分の後ろにピタリとつく。 息もかなり上がっていて、その人も必死になって走っているのだと思う。 別に付かれても気にする余裕はなく、残る力を全て使ってゴールを目指している。 37km通過し、37.2km地点で「残り5km」の看板。 ここでようやく通算タイムを見る。 2時間56分ちょいで、残り5kmを25分じゃ足りない事が発覚した。 キロ5分より、1分30秒くらい縮めなくてはならず、そうなるとキロ4分40秒くらいで走らないといけないので、「これは無理だ」とこの時点でようやく3時間20分切りは不可能なことが分かった。
ただ、できる限りいいタイムではゴールしたいので、残り5kmを必死になって走る。 自分に余裕はないが、ついてきてるピンクのおじさんも全く余裕がない。

37.9kmの給水のゴミ箱でポケットに入っているものを丸ごと捨てる。 先程のみかんの皮や軍手。 余裕がなくてポケットのもの全部出して見ずに捨てたのでマスクも一緒に捨ててしまったようだ。

厳しい走りの中、残り3kmを迎える。 おじさんが「きつい」と叫ぶ。 自分はおじさんに「あと3km」と気合を入れ、自分も奮い立たせる。 残り2km、残り1kmと通過し、ラストの競技場までの上り坂に突入する。 自分は残ってる力を振り絞ってペースを上げる。 おじさんもほとんど変わらない差でついてくる。 そして、競技場へ入り、残り400mくらい。 第2コーナーくらいからラストスパートして、苦しいながらも全力でゴールする。

今回はゴールした瞬間はしゃがみ込みたくなるほどヤバかった。 そのまま芝生を誘導されて給水コーナーで、紙コップ3つ一気飲みする。 そして歩けず、芝生に膝をついて休憩する。 しばらくしておじさんがやってきた。 おじさん、競技場入る所まではついてきていたが、競技場入って一気にペースダウンしたみたいで、自分より10秒遅れくらいでゴールだったようだ。
おじさんと「36kmくらいからずっと一緒に走ってましたね、疲れましたね」と言ってお互いを検討し合う。

芝生の出口の前で計測チップを外し、出口で完走証をもらう。 コロナ後に開催された大会、今シーズン8レース目なのだが初めて紙の完走証をもらった。 今までもらうのが当たり前だったが、感染防止対策やら経費削減やらで、紙の完走証を手に入れる機会がなかった。 やはり紙でもらうのはいいなと実感した。 完走メダルやお土産品ももらって競技場の外に出る。

今回のタイムは3時間21分49秒。 目標には1分50秒届かず。 たった1分50秒、だけどそれは果てしない1分50秒だと、今日のレースでは感じた。
記録的にはセカンドベストだけど、全然満足できない結果に終わった。

荷物は少し離れた場所にある体育館に取りに行かないといけなかったのだが、そこが意外に遠くて、今日は足がかなりダメージを受けているので、荷物を取りに行くのがかなり苦痛だった。
荷物を受け取ってからは着替えもせずにマッサージブースへ。 10分ほどで自分の番が来てマッサージを受けることができた。 お尻とか太ももとか、足の裏側をやってもらって、少々回復したと思う。

それから写真撮影して、ようやく上着を羽織る。 着替えるのは面倒なので、もうこのままでいいや…… 飲食店ブースで唐揚げを購入し、高知農業高校だろうか、高校生から牛乳をもらって体を癒やす。

帰りにバス乗り場の反対側にある温泉に寄っていこうかなと思っていたけど、休んでいたら空が暗くなってきて突然強風が吹き始めたので、天候悪化したら温泉からバス乗り場までずぶ濡れだなと思って、温泉に行くのはやめてしまった。 ホテルで入ればいいやって思ってしまって……

なので、高知駅方面のシャトルバス乗り場まで歩いて行く。 このバス乗り場がまた遠くて、500mくらい歩いたような感じがする。 バスに乗ったら疲労困憊でウトウトと。
バスは県庁前、大橋通、はりまや橋の前、高知駅と止まっていく。 ホテルは「大橋通」が一番近いのでそこで下車。 ホテルに向かう途中にひろめ市場があるので、お昼でも食べようかなと思って中に入るが、ランナー以外のお客さんで普通に混んでいて、席を確保するのが大変そうだったのでやめる。
すぐ横にある「土佐黒潮市場」というところでお昼ごはんにする。
値段忘れてしまったが、カツオのたたき定食が1,500円くらい、生ビールが500円くらいだったような記憶。
カツオのたたき定食

お腹いっぱいになってホテルに戻る。 が、大浴場は16時から。 大浴場に入れるようになるまで、まだ時間があるので、もう部屋の風呂でいいやって思って、浴槽にお湯を張って、とりあえず1時間くらい風呂に入りながら寝る。 1時間くらい寝たらだいぶ体力は回復、足は回復していないが。

ある程度疲れも癒えたので、16時過ぎにホテルを出て、高知城に行ってみることに。 前回行っているはずなのに全然覚えていない。 高知城の公園に着いたのが、16時25分くらい。 天守閣の案内板には「閉園17時、最終入場16時半」と書かれている。 元気なら上まで走って5分で辿り着けそうだけど、レース終わった後の今の状態じゃ無理だ。 別に天守閣に入らないでいいやって思って、三の丸まで歩いて散策してきた。
高知城

その後、目の前にあった「高知歴史博物館」へ。 高知の歴史や山内一豊について学んできた。
高知歴史博物館

夜ご飯を食べないといけないが、もうこれ以上歩き回りたくないので、商店街で見つけた「室戸屋ジロー」というお店へ。 入ったときはガラガラだったのに、1時間もしないうちに満席になって、新しいお客さんは断られていたので、早めに入ってラッキーと思った。 疲労しすぎてビールは2杯しか飲めなかった、色々食べて4,000円くらいの料金だった。

ホテルに戻って大浴場で体を暖めて、21時位には寝た。


今回の高知龍馬マラソン、正直なめていた。
11月の福知山マラソンで思っていたよりもいい結果が出て、12月のハーフ、1月の10km、2月のハーフと、いずれも大幅な自己ベストでこのマラソンを迎えた。
なので、目標は余裕でクリアして、来月のとくしまマラソンで自己ベスト、などと思っていた。 だが実際走ってみると、ハーフまでの距離は対応できていたかもしれないけれど、フルはやはり別物だなと感じた。
最近はガーミンの指示通りの練習プランでやっているが、長くても12kmくらいしか走っていないので、距離耐性がないのを実感した。 絶好調だった2018-2019シーズンを思い返してみると、月間200kmを10ヶ月くらい連続で走っていた。 11月は188km、12月は189kmと走ってきているが、1月は140km、2月は今日の42kmを入れて133kmなので、やはり距離が足りないんだなと思った。
幸いなことに、とくしまマラソンまでは丸1ヶ月あるので、ガーミンの指示を無視してでも、距離を伸ばす日を入れながら、とくしまマラソンで自己ベストの目標は変えずに頑張りたい。
だけど、今日走って改めて実感したけど、自己ベスト出した時、よくあのタイムで走れたな、と疑問に思う。 後半の悪天候での追い風区間もあったけれど、それでもあのタイムは信じられない。

本日タイム、1km毎はガーミン計測、その他は公式記録より

第41回瀬戸内海タートル・フルマラソン全国大会

晴れ朝5時20分に起床。 今日は「第41回瀬戸内海タートル・フルマラソン全国大会」が開催されるので小豆島に行く。 朝ごはんは食パンとバナナ。
荷物は昨晩準備をしておいたので、着替えてそれを持って出発するだけ。 小豆島についてレースの服装に着替えてから気づいたが、家出る時にパンツを履き替えるのを忘れていた。 普段はトランクスなのだが、レースの時はボクサーパンツにしている。 トランクスだと、走る動作の度に陰部の皮がトランクスに擦れて、それが42kmという距離になると2万回くらい擦られることになるので、血が出てきたり、出血しないでもヒリヒリしたりすることが多々ある、雨の日は特に。 なので、擦れないように締め付ける事ができるボクサーパンツを履いているのだ。 ただ、今回は10kmと距離が短いのでまぁ大丈夫だろう。

高松港から土庄港に行くフェリーは6時20分、7時00分の臨時便、7時20分、8時02分とある。 受付は9時半までで10kmスタートは10時10分。 なので、8時02分のフェリーでもギリギリ間に合うが、なるべく早く会場に着いておきたいので、可能な限り早いフェリーに乗りたい。 レース後はお酒が飲みたいので、高松港まで車で行くことはできない。 公共交通機関で行くことになるが、始発のバスは7時前なので遅すぎ。 始発の電車は6時09分。 これでも遅いのだが、それしか手段がないので、その電車に乗るスケジュールで全て動いている。

始発の電車に空港通り駅から乗ったのだが、既にランナーと思われる格好と荷物を持った人が数人いたし、途中の駅でもどんどんと乗ってくる。 普段走っていると、それほどランナーには遭遇しないのだけど、香川県にはこんなにも多くのランナーがいるのだな、と実感する。
高松築港に到着して、フェリー乗り場で乗船券を購入。 レース参加者には事前にフェリー20%OFFの券が送られてきているので、本来だと片道700円の所、560円、往復1,120円で購入するが、現金しか使えないとのことだった。

フェリーは7時00分の臨時便に乗船。 席はまだ空いていたのだが、真ん中にあるカーペットのスペースに座った。 船が出発して、瀬戸内海に出てから、双眼鏡で島々を見ようと思って、窓のないデッキ部分に行って、島々を見てきた。 島を見終わったあとは非常に眠かったが、船は混雑しているので横になれず、これだったらイスの席にすればよかったかなぁと思った。
フェリー 瀬戸内海

土庄港に到着し、フェリー乗り場前のバスターミナルから会場行きのバスに乗る。 バスは5台くらい待機していて、フェリーから下船したランナーを全てのバスで一気に運ぶことができたので、バス待ちというのは無くて非常に良かった。
小豆島

会場に到着し受付をし参加賞をもらう。 昨年もエントリーしている人は、別に記念品があるらしく、それももらった。 記念品はみかんドレッシングと素麺だった。
受付会場の裏にある公民館みたいな場所が待機所みたいになっていたが、大混雑で、3Fの隅に荷物を置いた。

時間はまだ8時半くらいで10時10分のスタートまで余裕がある。 ここ数回のマラソンで課題になっている、レース中にトイレに行きたくなる問題はあるが、さすがに今日は10kmなので大丈夫だろう。 だが、何度もトイレに行って、体の状態を万全に整える。 まだレース前だけど、素麺無料食べ放題があったので、1杯食べる。 それ食べても、なんだかお腹がすいている感じがしたので、近くにあったセブンイレブンで蒸しパンを購入し食べる。 あとは適度に水分を摂って、トイレに行って、を繰り返す。
ゴール地点 素麺 応援メッセージ

9時半になりフルマラソンの部がスタート、9時50分からはハーフマラソンがスタート。 フルマラソンがスタートした後くらいから体を動かし始める。 今日は出だしからハイペースで突っ込んでいかないといけないため、一度心拍を上げておかなくてはならない。 500mくらい速いペースで走って心拍を上げる。
ハーフマラソンもスタートし、20分後には自分たちがスタートする。

レースの格好は半袖ハーフパンツ、5本指靴下、PUMAのスピードライト2とニット帽。 帽子と手袋は最後まで悩んだ。 日中だし日差しもあるのでニット帽はかぶらないでもいいかなと思ったけれど、もし耳の中が痛くなった場合にはペースを落とすしか手段がない。 足とか呼吸とか差し込みでペースを落とすのは仕方ないかもしれないが、耳が原因でペースを落とすのは納得がいかない。 なので、ニット帽はかぶることにした。 暑くなったらポケットに入れればいいし。 手袋も暑くなったらポケットに入れればいいのだけど、ニット帽と手袋、両方をポケットに入れた場合、重さはないがポケットが膨らみすぎる。 手は冷たくても不快に感じるくらいで走りには影響ないので、ニット帽は有り、手袋は無し、ということにした。

スタートラインに並ぶ順番は自己申告。 最前列が40分以下、次が50分以下、60分以下と続く。 自分の今回の目標は41分切りなので、一番前のグループの中程よりすこし前にいた。 が、50分以下より前に出てくる人が20人くらいしかいない。 グループ分けをしても、結局スタート時には詰めるので、自分は3列目くらい、後ろは大グループの人たち、というような感じになっている。

自分の今回の目標は41分を切ること。 本当は40分切りを目指したいが、それはキロ4分より速く走らないといけないという事なので、自分にはまだその実力はないと思う。 41分切りなら、キロ4分05秒~06秒ペースでいい。 そのペースでいい、と言っても、普段ガーミンに指示されてやっている閾値走が4分05秒で16分間なので、それですら非常に苦しい。 そのペースで10kmとなると自信がないが、1人で練習で走るのと、大会で走るのでは全然違うので、決して無理な目標ではないと思っている。 来月開催される丸亀ハーフでは90分切りを目指しており、それにはキロ4分15秒が必要となる。 それに向けて、まずは今日の目標をクリアしたい。
ちなみに今までの自己ベストは2019年1月の美馬クロスカントリーで出した44分32秒。 それより3分半も速い目標タイムだが、コロナ禍で短距離や中距離にも挑戦するようになって、色々変化が起きている。

いよいよスタート時刻となる。 1分前でマスクを外すようにアナウンスされ、30秒前、20秒前、10秒前からカウントダウンがあり、スタート。
スタートした瞬間に飛び出したのは10人くらいで、自分も入っていたが、それほど速いように感じなかった。 少し走って、先頭の2人がさらにペース上げたような感じで飛び出していったが、見える位置にいるし、周りの人たちも自分と同じくらいのペースだったり。 本当は誰かについていくのがいいのだが、自分とぴったりペースが合うような人はいなかった。

最初の1kmを3.58で通過。 体感では「これは遅い、4.10くらいじゃないか?」と思っていたので、ズレにビックリ。 まさか3分台で入るとは。 1km過ぎたくらいで、前を走っていた黄緑ウェアの人がチラチラ右を見たり後ろを見たりしてくる。 別についていっているつもりはないけれど、この人を先頭に3人の集団が出来ているので、誰かに前に出てほしいのかもしれない。 黄緑の人がわずかにペースを落としたように感じたので、自分が前に出て走っていく。 次の1kmは少々ペースが落ちて4.05。 後ろの2人は離れた気配がする。
2km過ぎてから坂が始まる。 コース図では20mとなっているのだが、ガーミンでは40m。 さすがに40mも無いとは思うけれど、20mではないと思った。 この坂が非常にきつくて、先程集団を形成していた黄緑の人に抜かされ、その後ろにいた黒い人にも抜かされていく。 坂は長くものすごい苦労した。 だけど、今抜かされた2人に差を広げられないように必死になって走っていく。 坂の頂上付近が3km地点、この区間4.20だった。

なんとか坂を上り終えてからは500mくらいかけて下っていく。 心肺は上がっているが、下りで心肺は楽になるので、もっとペースアップしないといけない。 ペースを上げて下っていき、先程抜かされた黒い人を抜きかえして、黄緑の人の真後ろまで追いついた。 下り終えて4km地点、この区間3.57。
4km付近で、前に「ハーフマラソン最後尾」と書かれた自転車の人がいた。 そのちょっと先にハーフマラソンの選手がいた。 そこから何人かハーフマラソンの選手を抜かしながら走っていく。 黄緑の人のさらに前を走っていた、10kmの選手で後ろにいる人とは別の黒い長身の人も抜かした。

今回は10kmのレースなのでほぼ中間点の5km付近に折り返しポイントがある。 その手前に給水所があったので、紙コップを取る。 すぐ前にいた黄緑の人は給水を避けて右側を走っていた。 自分は給水するが、コップに半分くらい水が残っていたので、黄緑の人に「いりますか?」と聞いたら「大丈夫です」とのことだったので、もう一口飲んでコップを捨てる。 この区間が4.05。

折り返し地点を超えて、黄緑の人にだんだんと離されていく。 2秒差くらいか? なんとか食らいつこうとペースを上げるが、全然差が縮まらない。 この区間3.57。
そして、再び坂を迎える。 坂は苦しすぎる。 10kmの選手たちが坂を下りてくるが、自分は折り返しているので上っていく。 同じレースに出場してる選手から「がんばれー」とか言ってもらうのは不思議な感じがするが、応える余裕は全く無く、苦しみながら坂を走っていく。 黄緑の人との差はあまり変わらず、この人も苦しんでいるのがわかった。

なんとか坂を上りきって残り3km、この区間は4.18。 この先、もう坂はないので残ってる力を振り絞って坂を駆け下りていく。 この辺りで暑すぎてニット帽をポケットに入れる。 坂を下りて少し走った所で残り2km、この区間3.48と下り坂を利用してタイムが上がった。
下り坂を使って黄緑の人に追いつけると思っていたが1秒差くらいまでは縮まったがまだ追いつけていない。

沿道で「あと1.6km~」と応援してくれている人がいて、その人を過ぎたくらいで黄緑の人に追いついた。 そしてそのまま抜かす。 黄緑の人は最初ついてきたと思うが、段々と足音が聞こえなくなっていった。
自分の前にはオレンジと黒の人が並走している、距離は結構あって、そこまで追いつけるだろうか? まだ1.6kmあるので、ラストスパートするには長すぎるが、ずっとハイペースで走っているので最後に爆発的な力を出すのは無理なので、僅かだがペースを上げて走る。
残り1kmの看板を過ぎた、この区間が3.48。 前のオレンジの選手がスパートをしたようで、黒い選手が単独で走っていて、だんだんと近づいてくる。 その選手を抜くのを目標に、残ってる力を振り絞って走っていく。
近づいては来るものの、結局は追いつくことが出来ず。 最後の最後まで全力で走ってゴールした。 最後の1kmは3.50。

ガーミンでは、ゴールタイムは39.59だった。 走っている間、ラップタイムしか見ておらず、トータルのタイムは全く見ていなかった、中間点のタイムも見てないので不明だったが、こんなにいいタイムだったとは。 ただ、ガーミンのタイムと公式記録のタイムは誤差があるだろうから、なんとか39分台に入っていてほしいと思いながら、公式サイトの記録速報でチェックすると、そちらでも39.59だった。
目標は41分切りだったのに、まさかの40分切りのタイムが出せるとは驚き。 なにより、たった1秒だけだけど、キロ4より速く走れたというのが嬉しい。 途中でトータルタイムをみてないので、完全に結果論だけど、39.59と40.00じゃぜんぜん違う記録なので、気持ちが折れず、最後まで全力を出し切れたのが非常に良かった。
後で判明したのだけど、39.59はグロスタイムで、ネットタイムは39.56だった。 けど、自分の中のPBとしては39.59を採用したいと思う。

ゴール後に、一緒に頑張った黄緑の人と話した。 「水ありがとうございます」と言われた。 その人は10年ぶりに出してきたレースシューズを履いたのだけど、靴底が剥がれてきたと言っていた。 加水分解とかあるので10年ぶりの靴はやばいな…… 自分的にはこの人がいなかったらここまで頑張れなかったと思うので、お礼を言って別れた。

公民館に荷物を取りに行き、近くにいたスタッフにレースの服装で写真を取ってもらい着替えようとしていたら「マッサージしていきませんか?」と声をかけられた。 10kmなのであまり筋肉は疲れてない感じだったけれど、せっかくなのでやってもらうことに。 「四国医療専門学校」の学生たちがオイルマッサージをしてくれた。 非常に気持ちがよい、至福の時だった。 タートルフルマラソンは3年ぶりの開催なので、学生たちは初めての事らしい。 以前にやったことあるスタッフ、先生はいるだろうけど、3年ぶりというブランクがランナーだけではなくこういう人たちにも影響を及ぼしている。

その後は、ハーフマラソンやフルマラソンの応援に行くことに。 会場で偶然三女の陸上チームのお父さんに会って、その人はハーフマラソンに出るとのことだった。 もうすぐその人がゴールするだろうと予想されるタイムなので、コースを逆走して歩くような感じで応援に行ってきた。 その人を無事応援できて、ついでなのでそのままひたすらコースの反対側の道路を歩きながら応援していく。 そのまま3km地点、坂のピークまで上った所までいって、また戻ってきた。 なので、これだけで6kmくらい歩いたことになる。 荷物背負ったままだったけど、どうせ会場に戻ってくるのだから、荷物置いておけば良かったと思った。

途中でオールスポーツのカメラマンがいたので、ランナーが来ないタイミングで話させてもらった。 今日はこれまでに3,000枚くらい写真を撮っていて、おそらく5,000枚くらい撮ることになるだろうと。
撮った写真を選別しなくてはならず、車が前を通ってるのとか、ピントが合っていないのを避ける作業を帰ってからしないといけないけど、枚数が少ないので深夜1時位には終わるだろうと。 そういう徹夜になりそうな作業は慣れているけど、写真撮影中ずっと立ってるのが意外にきついといっていた。 今日だと、9時半のスタートから、6時間くらいはずっと撮影してないといけないと思うので、立ちっぱなし、トイレにもいけないのかもしれない、今日は気候がいいけれど、雨だったり風で寒かったりしても撮り続けないといけないので、かなり過酷な作業だな。 だけど、そうやって苦労して撮ってくれた写真を、レースが終わってから見るのが楽しみではあるので、感謝を伝えてきた。
といいつつも、今日は必死すぎて、そもそもカメラマンがいたことに気づいていなかった。

会場に戻ってお弁当引き換え券でお弁当をもらって会場を後にする。
お弁当

土庄港までシャトルバスはあるけど、どこかでお昼ごはんを食べてお酒も飲みたいので歩いて店を探しながら行くことに。 今お弁当食べたばかりだけど、レース後は消耗しているのでまだまだ食べられる。
で、歩いて土庄港まで向かっていったのだけど、店が1軒もなく…… あったのはおしゃれなカフェとパン屋だけ…… 港のお土産物売り場で缶ビールを購入。

14時45分出港のフェリーの船内でお菓子を購入して、ビール飲みながらそれを食べながら帰ってきた。
高松に戻ってきてから何か食べて帰ろうかなとも思ったけれど、面倒になってしまったので、どこにも寄らず琴電で帰ってきた。 16時半くらいには帰宅。
フェリー

疲れすぎて21時過ぎには寝てしまった。

今日のレース、PB大幅更新できて、非常に嬉しいレースだった。 アップダウンがあってあのタイムなので自信になった。 日々の厳しいトレーニングは確実に力になっている。
10kmという距離のレースは、なかなか参加する機会がないけれど、フルやハーフより準備が楽だし終わった後のダメージも少ないので、もっと色々出てみてもいいのかもしれない。

第6回 あかがねマラソン

雨朝は5時半に起床。 今日は三女の野球が6時50分集合なので、6時20分くらいに家を出発する。 自分は愛媛県の新居浜市で「あかがねマラソン」とういハーフマラソンがある。 7時半~8時半に検温などを済ませないといけないので、三女と同じ時間に出発しなくてはならない。 昨夜帰ってきたのが遅くて、荷物準備がバタバタだったのと、睡眠時間も長く取れなかった。
忘れ物がないか心配しながら、三女を集合場所まで送っていき、そのまま高速道路で新居浜ICまで。

会場の「山根公園」は新居浜ICから2kmくらいの距離なのですぐに到着。 河川敷に駐車して、会場の山根公園へ、徒歩3分くらい。 検温をして検温済みのリストバンドを巻いて、更衣所になっている体育館へ。 福知山みたいな感じかなと思ったけど、体育館にはあまり人がおらず。 壁際に間隔を開けて座っている人たちがいるくらいで、福知山のような混雑はなし、大の字になって寝られるくらい、余裕でスペースは取れる。
着替えて何度もトイレに行く。 貴重品は100円返却式のコインロッカーがあるのでそこに預け、荷物自体は体育館に置いておいてもいいのだけど、荷物預かりがあるので預けてきた。
今はまだ防寒着を着ているが、体育館にはこの防寒着と、雨予報なのですぐに体を拭けるようにタオル、今飲んでいる飲み物のみを置いていくことになる。
ゴール

福知山マラソンが終わってから足の調子が良くなく、先週水曜日の大会後、2回しか走っていない。 今日は「ダメだろうな」という気持ちでここまで来ているので、どんなモチベーションで望もうか。
ハーフマラソンなので雨でもなんとかなる距離ではある。 走る格好は、上は無地のナイキの白Tシャツ、下は最近レースで履いているニューバランスの短めのハーフパンツ。 靴下はスポーツデポの5本指なのだが、今回は左足首の調子が思わしくないのでテーピングを巻く。 普段はテーピングしないが、今日のレースは耐えてもらわないと困るので、ここぞという場面でのみ巻く秘技。
コンプレッションタイツは履かないつもりだったが、足がダメでペースダウンした場合寒そうだなと思って履くことにした。 雨なのでキャップ、軍手持ってくるの忘れたので、モンベルの薄い手袋、これは途中で捨てるわけにはいかない。 雨のレースは乳首から出血することがあるので予め絆創膏を貼っておく。 スマホや補給食は無し。
待ち時間が寒いので、45Lのゴミ袋を持ってきているので、穴を開けて頭からかぶる。 これはスタート直前かスタートしてからすぐ脱ぎ捨てる。

スタートは9時10分から。 9時からは5kmの部がスタートし、その直前にセレモニーがあったので見てきた。 短距離オリンピアンの渡邉高博さんと、二代目山の神の柏原竜二さん。

そしてすぐにハーフマラソンのスタート時刻となった。 ハーフマラソンはウェーブスタートで、第一ウェーブが9時10分、第二ウェーブが9時11分、第三ウェーブが9時12分と、1分間隔で3ウェーブある。
自分は第一ウェーブ。 スタートの号砲がなり、あかがねマラソンが始まった。

あかがねマラソンは、5km地点から折り返しの13kmくらいの地点まで延々と上り坂が続く。 スタート地点の標高が50mくらいで、折り返し地点が450mくらい。 8kmで400mも上る激しいコースとなっている。
折り返しコースなので、折り返してからは、8kmで400m下る、足に非常に悪いコース。 初めて走るレースなので、どんなになるか全く想像ができない。

出だしの5kmはほぼ平坦なので、そこまでの区間に心拍を整えたり自分のペースを見つけたりしなくては。
参加人数が少ないのでスタート地点は数秒で通過。 スタート直後も全く混んでいなくて走りやすい。 自然な感じで走っていたら、出だしの1kmが4.33とハイペース。 そのままの流れで5kmまでを、4.32、4.21、4.20、4.39といい感じで走っていく。 足はテーピング巻いているお陰で全く痛くない。 3kmくらいの地点に給水ポイントがあったのだけど、オフィスで使うような普通の長机が2つ置いてあるだけの、非常に短い給水ポイントだったので、取り逃さないように注意しないといけないな。 多分、これから出てくる給水ポイントも同じような感じだと思うので。

山根公園前を通過して、いよいよ山道に入っていく。 出だしは上りではあるが、それほど急な傾斜でもない。 いいテンポで走っていき、4分台維持できているのでこれはいけそうだな、とか思っていた。
道の駅「マイントピア別子」を超えてしばらく行くとループ橋がある。 ここに看板があって「標高200m」と書かれていた。 まだ半分も上っていない。 ループ橋自体、全国的にも珍しいけれど、そこを走れるなんて気持ちがいいのだが、今は気持ちがいいよりも苦しい。 だけど、ループ橋を超えてからが、このコースの真骨頂だった。 傾斜がループ橋前とは違ってきつくなる。 トンネルが2本連続であり、トンネル内は傾斜が抑えられているので助かったが、トンネル出てからは傾斜がきつい。
10km通過が46分30秒くらいだったと思う。 かなりきついが、思っていたより通過タイムは速かった。 11km超えて「もう少しだ」と思い始めたが、きつい傾斜が続く。 12km超えても斜度は変わらず、というか、よりきつくなっているように感じる。 かなり苦しい中走っていき、ようやく前方に折り返し地点が見えてきた。

必死の思いで折り返し地点まで走って折り返す。 そこからコースがガラリと変わった。 今までは心肺が非常に苦しい走りだったが、ここからは全身が非常に苦しかった。 今は心肺が戻ってないので心肺も苦しいが、斜度がきつすぎて前につんのめりそうになるくらいスピードが出る。 これはやばい。 下りでよく足首を痛めるので、特に意識して足が斜めに接地しないように意識しながら走っていくが、意識する暇もないくらい足が前に出ていく。 太ももや膝にかかる体重も相当。 そして日頃腹筋を鍛えて体幹を強くしているが、それでもブレるほど上半身にも来る。

心拍が苦しいのはちょっとしたら落ち着いたが、足が非常に厳しい。 だけど、余裕で3分台が出る速度なので、ある意味楽しい。 上ってくるときは、次の給水地点が待ち遠しかったが、下りでは次々と給水地点が出現するような感じがする。 ループ橋も楽しく下っていくことができた。
下っていくに連れて、斜度が緩くなっていく。 マイントピア別子を超えると、緩やかな下りになるのだけど、緩やかな下りは非常にきつい。 走っても全然前に進まない感じがする。 箱根駅伝6区の山下り、ラスト3kmが平坦で上りのように感じる、とはまさにこのようなことなのだろう。
緩い下りでこんなにきついってことは、平坦になったらやばいな。 幸いにもこのコースはゴールの数百メートル手前まで下りが続く。
13kmで折り返して、あっという間に19km通過して、ラスト2km。 斜度が緩くて厳しいが、ラストスパートをかける。
ラップタイムは見ているが、通算時間を見てなくて、最後にもう少しペースアップしてゴール。 ゴールしてから時計を確認したが、1時間33分51秒と表示されていた。 正式タイムは1時間33分46秒。 グロスは同57秒。 今までのハーフマラソンの自己ベストが1時間34分11秒だったので、こんなやばいコースで自己ベスト更新してしまった。

ゴール後も結構余裕があって、柏原さんを見に行ったり、トークショーを見たり、終わった後も楽しんだ。 コロナの影響で出店が1店舗もなかったのは残念だったけど、完走後にもらったどら焼きと愛媛でいう天ぷらを食べてエネルギーは補給できた。
トークショー

収容車が通過した後は交通規制が解除され、今走ったコースが車で通れるようになった。 参加賞にマイントピア別子の温泉のチケットがあったので、雨で冷えた体を暖めに温泉に行く。
色々入った後、最後にジェットバスに入ったのだけど、地元のおじいさんと話していたら、ジェットバスに20分くらい入っていることになってしまって、かなり暑かった。 おじいさんは75歳くらい? 50年前は城東町で遊んだとか、30年くらい前まではよく香川の温泉巡りをしていたとか、昔話を話してくれた。 今は引退して家庭菜園でレモンやいちじくを作っているとのことだった。

帰りは一般道で途中まで走って、土居の「和風レストラン 松」でお昼ごはん。 イクラ丼ときつねうどんを食べてお腹いっぱい。 この店、実は過去に2度か3度来たことがあって、知っている店なので安心して入ることができた。
和風レストラン 松 イクラ丼、きつねうどん

食べ終わってからは土居ICから高速道路に乗るが眠すぎて高瀬PAで一旦休憩してから帰宅。

今日のハーフマラソン、前日までのコンディションは絶望的で、ワースト・もしくはDNFになるんじゃないかと心配していた。 だが、テーピングのおかげもあって、高低差400mもあるコースでなぜか自己ベストがでた。 それを考えたらフラットな丸亀ハーフならより好タイムが期待できると思われるが、多分そんなに上手くはいかないと思う。 フル3連戦の後のハーフなので、21kmって短いなぁとも思った。
普段のハーフマラソンなら14~17kmくらいが結構きつく、18kmからのラスト3kmも必死なのだが、今日のコースは13kmまでが正念場なので、後半は非常に速く終わってワープしたような感じだった。 「変な」と言ったら失礼だけど、こんなハーフマラソンもたまにはいいかな。 参加人数が少なくて快適だった。